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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-01山奥の少女
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ったから。いつもは、あまり人は来ないのかな?」
「全然こないよ。外の人なんて、初めてみた」
「そうか……。シンシアというのは、お友達かな。君くらいの、子供なのかい?」
「子供は、わたしだけだよ。シンシアは、みんなの中では一番若いみたいだけど。なんだか、ずっと変わらない」
「……そうか。」
「あ、わたし、もう行かなくちゃ。お昼に遅れると、おかあさんに叱られちゃう」
「そうですか。ところで、君の名前は?」
「みんなは、ユウって呼ぶ。あなたは?」
「……私は、デスピサロ。」
「……デス、ピサロ。」
「では、ユウ。気を付けてお帰りなさい。色々教えてくれて、ありがとう。」
「あなたも、歌をありがとう。迷わず、帰れるといいね。」
「ええ。私は、大丈夫ですよ。」
青年の笑みが、深まる。
(やっぱり、ちょっとこわいかも)
少女は、急いで家へと帰る。
「ただいま、おかあさん。おとうさんは?」
「ああ、お帰り。おとうさんは、池で釣りをしているんだよ。いい子だから、お弁当を届けてきておくれ。」
「うん、わかった」
「帰ってきたら、お前もすぐに食事にしますからね。」
お弁当を持って、村の奥の池を目指し、広場を通りかかる。
広場の花畑では、シンシアが寝転がり、空を見上げていた。
(やっぱり、あの人とは全然ちがう。シンシアは、こわくない)
シンシアが少女に気付き、
微
(
ほほ
)
笑
(
え
)
んで体を起こす。
「ユウ」
「シンシア」
「こうして寝転がってると、とても気持ちいいよ。ユウも、どう」
「おとうさんに、お弁当を届けにいくの。お昼ごはんも、まだだし。また、今度ね」
「そうか。それじゃ、またね」
池の
側
(
そば
)
に父を見つけ、声をかける。
「おとうさん」
「おお、ユウ。お弁当を持ってきてくれたのか。」
「うん。釣れた?」
「まだ、これからだな。ところで、ユウや。お前はいくつになったかな。」
「もうすぐ、十三才だよ」
「ふむ。まだまだ、子供だな。よいか。強く、正しく、生きるのだぞ。例え、何が起こってもな……。」
「……?うん。おかあさんが待ってるから、わたし帰るね。釣り、頑張ってね」
池から引き返し、再び広場を通りかかる。
シンシアはおらず、村の
狩
(
かり
)
担当
(
たんとう
)
の男がいた。
「
狩人
(
かりうど
)
さん、こんにちは」
「ああ、こんにちは。宿屋に行ったり、してないか?」
「行ったよ。詩人さんに、歌ってもらった。すごく、上手だった!」
「……そうか、会ってしまったか。悪いことが、起きなければ良いが……。」
「行ったら、いけなかった?」
「いや、済んだことはいいんだ。そもそも、あいつが掟を破ったのがいけないんだからな。仕事(し
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