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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十話 散り逝くものと現れる雷光
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央から完全に溶け落ち崩れ始めていた。そしてエレオノーレの炎が海にぶつかり水蒸気爆発を起こす。爆発に吹き飛ばされ、螢は公園側へ、ベアトリスは遊園地側へとそれぞれ分断されたことを理解する。

「他人を気にする暇がアンタにあるのか?」

「―――ッ!」

飛び跳ねる様にその場から離れると同時に、先程までいた場所の地面が砕かれる。そこに立っていたのは一族の剣を奪った張本人であるカリグラ。別に剣自体を奪ったことは如何でも良い。結果的にはだがキルヒアイゼンが蘇り、螢自身は次代の贄として選ばれなくなったのだ。寧ろ感謝気持ちすら芽生え、芽生え……

「芽生える訳、あるかッ!!」

兄の事は既に諦めた。だが、だからどうした。それでもほんの僅かにでも救える可能性が有ったかも知れないのにと。そうじゃなくても兄との数少ない繋がりを奪ったと、そう思うと怒りが込み上げてくる。

「邪魔立てするというなら、貴方を斃して向こうまで行きます」

「それで退くとでも?」

いいや、寧ろ退いてもらっては困る。八つ当たりに近い感情もある。自分じゃ役不足だと言われてしまったようでちょっとだけベアトリスにジェラシーを感じたりもする。だが、

「いいえ、貴方は此処で消えてもらいます」

「逆だ、消えるのはお前だよ。そしてアイツ等も俺の糧とする。最後にはラインハルトだって殺す。俺は世界の頂点に立つんだ」

こういうのを蛮勇っていうんだろう。でも、似たようなことをしている馬鹿みたいな彼とは似ても似つかない。目の前にいるのは無謀で彼がそうじゃないって言うわけじゃないけど、それでも違うと、そう思いながら螢は剣を構える。

「俺の糧となるが良い」

「いいえ、負けるのは貴方の方よ」



******



―――遊園地―――

「今も昔も変わらんな」

「何がです?私の態度がですか?それともあなた自身のことですか?」

「貴様の態度も含めた阿呆共のことだ。クリストフが自虐し、ブレンナーが目を逸らし、ナウヨックスが女々しく、貴様はふらふらとうろつくばかり。そればかりか最後に私の手を煩わせるところまで変わらんときた。まったく―――」

間を置き、エレオノーレは笑う。楽しくて堪らないといった風に、何よりも謳歌していると言わんばかりに。

「戯けが」

「少佐の方こそ、以外に面倒見がいいところは変わってませんね。どうせ私を斃した後はナウヨックスさんの尻拭いもするのでしょう?」

「あの程度の雑事であれば尻拭いと言うほどまでに手間は掛からんだろうさ」

カリグラの事を暗に示すベアトリス。それに対して明確な肯定も否定も示さないが、苦笑しながら認めはした。

「少佐はそういう目に見えない優しさがあると思いますよ。何だかんだ
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