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世界樹へ《1》 白い影
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「いててて…」
「セモン、大丈夫?」
「ああ…。それにしても、何でハザードがここに…それに、あの姿は一体なんだったんだ?まるでモンスターじゃないか」

 いや。《まるで》ではない。あれは…人ではなく、モンスターだった。人が操作しているなんて、あり得ない。そもそも、ハザードは…秋也は、あんな戦い方は決してしない。

「…世界樹に行く理由が増えたな」
「そうね。世界樹に行けば、何が起こったのかわかるかもしれない」

 そこで、いままで二人の話を聞いていた近くのプレイヤーが声をかけてきた。

「あ、あんたたち…あのモンスターの事、知ってるのか?」


                     *


「…刹那」
「兄様?お帰りなさい」
「うん。…動いたね。《オベイロン》が」
「!…《ハザード》さんは?」
「だめだな。あれはサーバーごと破壊して救出してからもしばらく時間がかかるはずだ」
「そう…ですか…」
「刹那、頼みがある」
「なんですか?兄様のおねがいなら何でも聞きますよ?」
「ありがとう。《セモン》と《コハク》がALOにダイブしているようだ。僕はあの姿だから、彼らに近づくことができない。だから君が代わりに、あの世界に行ってあげてほしいんだ。彼らの力になってあげてくれ」
「…わかりました。じゃぁ、兄様。私はダイブしますので」
「ありがとう、刹那…《グリーヴィネスシャドウ》」
「いいえ。《シャノン》兄様」


                     *


「あのモンスターが…もとはプレイヤーだと!?」
「いや。本当にそうかはわからないんだけど…でも、あの顔は間違いなく俺の知ってる人間なんだ」
「プレイヤーがモンスター化とか…聞いたことねぇぞ?」
「いったいどういうことなんだ…?」
「わからないわ…。でもあれが…あのモンスターは…」

 
 スイルベーンの破壊しつくされた広場で、セモンとコハク、そして少数のプレイヤーたちがハザードに対する会議を開いていた。セモン達に声をかけた、この会議の主導を握る男性プレイヤーは、ティール、と名乗った。

「モンスターっていうのは、特殊なクエストモンスターじゃない限り、《圏内》…あ、分かるか?」
「ああ。ゲーム内用語は一通りわかるが…」
「そうか。で、あのモンスターだが…本日までに、あのモンスターに関するクエストなどは一切公開されていない。ゆえに、あのモンスターがクエストフラグである可能性もごく低い…」
「……世界樹に行けば、何かわかるのではないでしょうか?」

 突然、聞きなれない声が間に入った。

「!?」
「誰だ!」

 ティールが振り返ると、そこにはいつの間にか白い髪の少女が立っていた。黒いマフラーを巻きつけ、白銀の
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