第11話
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何とか振り切ったが、シエル嬢は諦めを知らなかったらしい。
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「師匠!お隣失礼します!」
「…師匠?」
「止めてよホント…」
翌日の朝食、一夏と談笑しながら朝食を楽しんでいると、空いていた隣にシエル嬢が座った。
速攻で朝食を終わらせ、教室に逃げた。
「師匠!お昼に行きましょう!」
昼休み、シエル嬢に捕まりそうになった。間一髪で一夏を盾にした。周囲の目が怖かった。
そして放課後。
「師匠師匠。そろそろ了承してくださいな」
シャルルそっくりの笑みで、洒落にならない事を抜かすシエル嬢。
今日1日、シエル嬢から逃げながら、考えていた。どうすれば、俺もシエル嬢も納得する結果を得られるかを。
「さあ、さあさあさあさあ!」
答えを迫るな、近寄るな、暑苦しくなる…、っは!来たぞ!我が頭脳に天恵が!
「喜べシエル嬢、俺が教える以上に効果的な手段が見付かったぞ!」
最高だ。最高の案を思い付いた。これを閃いてしまった自分を褒めちぎりたい。
「師匠、その手段は!?」
「うむ、それはだな…」
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「…で?トモはそう言ったのか?」
後日、シエル嬢の雰囲気に何かを感じた一夏に聞かれたのであらましを寸分たがわず伝えると、苦笑いを浮かべた。
「何か問題あるか?『ゼロに丸投げ』」
そう、何も教えるのは俺でなくても良いのだ。気付いた俺はシエル嬢にこう言った。
『ゼロに教えを願い、吸収しろ。その後、必要ならば教える』、と。
ゼロならば、乙女の願いを無下にはしないし、何より、イケメン。
大事だからもう一度、ゼロはイケメン。
きっとシエル嬢はゼロに教わる途中でゼロの魅力にメロメロ、頭の中はゼロばかりになり、俺の事は忘却の彼方へ。
そして解放された俺はYEARR!な状態になるわけだ。
完璧すぎる。
「その結末がアレな訳だが…」
一夏と共にゼロの席に目をやると、和気藹々としたゼロと少女達の戯れが見える。
何と清々しい。
「いや、ゼロ顔がひきつってるからな!?って言うか、その爽やかな笑顔はなんだトモ!?見たこと無い爽快さだぞ!?」
「フッフッフッ。一夏、今の俺はとても気分が良いのだ。大半の事は許せる気がする」
『ならば都合がいいな』
!? 何奴!
慌てて背後から聞こえた声の正体を確かめると…、
「丹下智春。貴様を少しだけ認めてやろう」
「ぼ、ボーデヴィッヒ…」
正体は、腕を組みながら冷淡な視線を浴びせる、ラウラ・ボーデヴィッヒさんでした。冷や汗が止まらない。
「男など惰弱で軟弱だと思っていたが、貴様、中々どうして骨がある。楽しめそうだ…」
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