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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第11話
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シリアの言葉を、シャルルがまとめる。

「結局は、お互い『勝つために打てる手段を可能な限り打った』って事。君がどう思うかは自由だけど」

数舜の静寂の後、ゼロが口を開く。

「少し…、一人で考えてみる。悪いな」

口数少なく、ゼロはピットから立ち去っていった。

一夏達も、ゼロの背を見届けた後、各々去る。

着替え終わった智春が出てくると、誰も居ない筈のピットに意外な『客』が訪れていた。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

着替えの最中にも、ゼロと一夏達は討論していたようだが、やがて出ていったみたいだ。

さて、これからが大変だ。

何せさほど仲が良いわけでないオルコットに協力を得るために、一夏との1日デートのセッティングを請け負ったのた。

凰や篠ノ乃の目を掻い潜ったり、一夏の予定を調整したりと、やることが山程ある。

頭の中で、計画を組み立てながら更衣室を出ると、誰かが居た。

「お待ちしていました」
「シャルル…、じゃないな。妹の方か」

待ち人は、シャルルそっくりのシエル嬢。彼女とは面識がない為、少々面食らってしまう。

「丹下さんにお願いがあって、待たせていただきました」
「お願い?」
「はい、ボ…、ではなく、私に、ISをお教えいただきたく…、「無理」どうしてっ!」

意味不明な事を言われたので、断ったら豹変した。何だ?

「猫被ってるのがバレたの?『ボク』がお嬢様らしく振る舞おうとしたのがいけなかったのかな…?」

一人で呟き始めた。と言うか、猫被っていたのか。一人称といい外見といい、そっくりだな、シャルルと。

「は!?わ、わ!どうしよう!?全部見られた!?よし、こうなったら、改めて、ボクに指導を…「いや、無理」そんなぁ!!」

ガックリ肩を落とすシエル嬢。この短い時間で、この少女に対する評価をまったく別物にしなければならないとは、夢にも思わなかった。

「せめて理由を!」
「理由?未熟だから」

そもそも、俺自体がまだまだヴァンガードの性能を出し切れてはいない。

多少訓練の結果で良くはなったが、今日のでも六割そこそこだ。先は長い。

「それでも、今日の丹下さんは、ボクが描く理想そのものだった!だから教わりたいんだ、あの人と、シャルルと並び立つ為にも!」

どうやら、シエル嬢はシャルルに対して、多少なりと劣等感を抱いているようだ。だからと言って、首を縦には振らないが。

「申し訳無いが、どれだけ頼まれても、受けることは出来ない。他をあたってくれ」

シエル嬢の横を通り、ピットを出る。

「ううう…、いいもん、ボクが勝手に着いて行くもん!待って師匠!」
「誰が師匠だ!」

勢いよく追いかけられ、師匠呼ばわり。やってられない。

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