立志の章
第7話 「俺に任せろ! 必ず助けてやる!」
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ていたのに。
盾二さんのやっていたことが非道だったから? ちがう。
盾二さんが怖かったから? それもある、けどちがう。
盾二さんが――
「……まるで、別人みたいだった」
「ん?」
「ご主人様が、まるで別の人みたいで……」
「んー、あー……戦っているときの俺って怖い?」
「……(コクン)」
「そっかぁ」
盾二さんが苦笑しながら私の頭に、ポンっと手を置いた。
「ごめんな。怖がらせて……」
「……っ!」
ちがう、ちがうの!
「ちがうの!」
「?」
「怖かったけど……怖かったけど! でも、違うの……」
「……えーと?」
ご主人様が戸惑った声を上げる。
……なんだろう。わかんない。でもモヤモヤして……やだ、この感じ。
「ごめんなさい……自分でもよくわかんない」
「……うん、そっか」
盾二さんが、ふっと息を吐いて私の頭をなでる。
なんでだろう。
心地よさを感じながら涙があふれた。
―― 趙雲 side ――
不覚――
まさに不覚だった。
側面を突くつもりが、敵の一部隊に引きずられてしまった。
すぐに撃破したとはいえ、その分白蓮殿に負担をかけたことは否めない。
だが、そんな内心の自虐心をよそに、白蓮殿の明るい声が響いた。
「いやあ、完全勝利、だったな! 良かった良かった!」
白蓮殿の笑い声に……自分が情けなくなる。
一時的とはいえ、遊兵になってしまったのだ。
叱責を受けて良いはずなのに、白蓮殿はまったく責めてこない。
私がもっと早く敵の意図に気づいていれば……白蓮殿の本隊が苦戦することもなかったはずだ。
「やったね、白蓮ちゃん! さっすが〜!」
「いやいや、桃香や星たちの力があってこそだよ……ありがとう」
「えへへ、私は何もしてないけどね♪」
劉備殿……いや、桃香殿は努めて元気に振舞っている。
先程聞いたが、あの盾二殿が桃香殿をかばってけがをしたらしい。
大事無いそうだが、額の血がなかなか止まらなかった様子で今は休まれている。
「それにしても、賊が増えたな……」
白蓮殿の呟きに、私は神妙に頷く。
「確かに。最近の雰囲気、なにやらおかしなものを感じます」
「うーん……確かに賊は増えたけど、おかしな雰囲気か。どう思う、桃香?」
「そうだねぇ……私もなにか変な感じはするかな」
「そっか……のんびり屋の桃香が感じているってのはよほどなんだな」
「あーっ、ひどぉぉい! 私、そんなにのんびりしてないもん!」
「ぷぷっ、そう思ってないのはお姉ちゃんだけなのだ」
いつの間に現れた、鈴々よ。
「むー、鈴々ちゃんまでそんな事いって〜! みん
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