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八条学園怪異譚
第二十四話 古墳その十二
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「何についてもね」
「そうよね、本当に何でも」
「同じ物事でも」
「僕にしても」
 妖怪である彼にしてもだというのだ。 
「いいことと悪いことがあるよ」
「妖怪さんにしてもなのね」
「やっぱりそうなの」
「そうだよ、確かに長生きだけれど」
 普通の生物より遥かにである。
「その分別れがあるからね」
「普通の犬や猫は二十年生きれば凄いよ」 
 猫又は自分の兄弟、遠い昔の彼等のことを思い出し遠い目になった。
「それでもね」
「妖怪に比べたら寿命は見塩介からね」
「だから別れの経験は多いよ」
「別れって辛いよ、何度経験しても」
「うん、そうよね別れってのはね」
「辛いわよね」
 二人もこのことはわかる、これまでい経験してきたことだ。
「ひいお祖母ちゃんが死んだ時は悲しかったわ」
「ひいお祖父ちゃんの時も」
「例えそれが寿命で大往生でもね」
 それでもだというのだ。
「いなくなるのは悲しいよね」
「人が死ぬのはね」
「死ってのは絶対なんだよ」
 猫又も過去を思い出しながら語る。
「これだけはね」
「妖怪さん達も死ぬわよね」
「それも絶対に」
「死ぬよ、確かに寿命は長いけれどね」
 それでもだというのだ。
「死ぬことからはね」
「逃れられないのね」
「どうしても」
「死なないと別の世界に行けないし生まれ変われない」
 仏教的な言葉であった。
「だからそれはあっていいけれどね」
「親しい人や好きな人が死ぬと」
「どうしても悲しくなるわよね」
「その人生において永遠の別れだからね」
「悲しくて当然なのね」
「だから」
「そうだよ、二人共正しい感覚だよ」
 死を悲しむ、その感覚はというのだ。
「むしろ悲しまない方がおかしいよ」
「悲しみもまた人の感覚」
「自然なのね」
「感情は後で身に着けていくものだけれど」
 それが自然のことになりそしてだというのだ。
「それがないと人じゃない、妖怪でも動物でもないよ」
「生きている存在じゃない?」
 愛実はこう猫又に問うた。
「機械みたいなの?」
「そうなるかもね」
「そうなのね」
「悲しみも含めた他の人への思いやりや気遣いの感情がないとおかしいんだよ」
 稀にそれがない輩もいる、学生運動のリーダーから総理大臣にまでなったある輩もそうであった。史上最低斎青くの総理と言われている。
「稀にいるけれどね」
「悪い妖怪で」
「悪い妖怪にも色々いてね」
 聖花に送り犬が話す。
「その中でもそういう奴は一番性質が悪いね」
「そういうのを確かサイコパスっていうわよね」
 聖花はそうした類の輩を最近の言葉で言った。
「確か」
「ああ、そう言うんだ今は」
「昔はきちがいで言ってたけれどね」
 猫又と送り犬はサイコパス
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