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八条学園怪異譚
第二十四話 古墳その十一

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「そうよね」
「そうだから」
「流石にでかい鯨さん達は水族館にはいないよ」
 猫又がこのことを言う。
「シロナガスクジラさんとかはね」
「まあこの学園でも無理よね」
(流石に」
「うん、小型の鯨とかイルカはいるけれどね」
 それでもだというのだ。
「大きな鯨はいないよ」
「シャチさん位?」
「それ位よね」
「シャチさんいるよ、あれは凄いね」
「普通に五メートルあるからね」
「大きいのだと九メートルあるし」
「そう、あの水族館で一案大きいよ」
 そうだとというのだ。
「動物園じゃ長さじゃニシキヘビさんだね」
「どうも」
 アミメニシキヘビの幽霊もいる。
「長いのだったら確かに僕だね」
「鰐さんも大きいけれど」
「それでもだね」 
 今度は鰐の幽霊が言ってくる、見ればナイルワニだ。ナイル川にいる大型で凶暴な種類の鰐である。他にも様々な種類の鰐達がいる。
「うちの動物園で一番大きいのは」
「象さんだね」
 猫又は象の幽霊をここで見た。
「そうだね」
「やっぱり僕かな」
「体重もあるしね」
「うん、重さもあるからね」
「だから多分一番大きいのは象さんだよ」
 こう象の幽霊とやり取りして話すのだった。
「そうだろうね」
「まあ幽霊には重さはないけれどね」
「霊魂だけだからよね」
「だから重さないのよね」
「そうだよ」
 象の幽霊は笑みを含んだ声で二人に話した。
「幽霊はそうだよ」
「肉体があるから重さがある」
「逆に霊魂はなのね」
「そう、重さは実体のものだからね」
「霊魂だけだと体重も関係なくて」
「それで飲んだり食べたりすることもない」
 二人はこれまでの出会いで知ったことをここでおさらいした。
「その点はひょっとして便利かしら」
「餓えないしね」
「まあ一長一短かな」
 象の幽霊は二人にこう告げた。
「その辺りはね。飲み食いって楽しみでもあるから」
「それが味わえないことは寂しい」
「そういうことなのね」
「そうだよ」
 まさにその通りだというのだ。
「僕達実際に寂しい思いすることがあるからね」
「そうなんだよね。幽霊さんはね」
 送り犬も言う。
「食べなくてもいいけれど」
「うん、食べられないってことでもあるから」
「それは寂しいよ」
「そういうことね。何かそれ聞いたら」
「本当に一長一短ね」 
 二人はこのことにあらためて気付いた。
「幽霊でいるっていうのもいいことばかりじゃない」
「よくないこともあるのね」
「何でもそうだよね、いいことと悪いことがあるよ」
 送り犬は年長者、実際にそうでるおから問題ない口調で二人に話した。
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