第二十四話 古墳その十
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「それで再建したけれど折角築いた天守閣が落雷で焼けてね」
「あっ、大阪城の天守閣ってそうなったの」
「そうだよ、江戸時代の天守閣はそうなったんだよ」
猫又は愛実にも話す。
「昭和、二次大戦前に再建したんだよ」
「そうだったのね」
「空襲では天守閣だけが残ってね。凄い光景だったよ」
「大阪城にも歴史があるのね」
「うん、今の天守閣は三代目だよ」
「そうだったのね。じゃあ今から」
「うん、じゃあね」
一行は頷き合いそうして夜の動物園の中に入った、中に入るとすぐに動物霊達と合流した、古墳までの道中はかなり賑やかになった。
その道中で虎の幽霊が二人に言ってきた。
「古墳の人ってね」
「その幽霊さんよね」
「昔の」
「何ていうか違うんだよ」
「違うってどう違うの?」
「うん、まず服が違うんだ」
話はそこからだった。
「今のとね。お化粧とか髪型も違って」
「その時の服なのね」
「あの時代の服は」
「飛鳥時代?」
愛実が首を少し傾げさせて言った。
「その頃?」
「あの服がその時代なのかな」
虎の幽霊の言葉はその辺りの事情は知らないというのだ。
「他にも気品があってね」
「貴族だからね、そこは」
聖花はそこを察して言った。
「だからね」
「うん、日下部さんみたいに四角四面じゃないし」
虎の幽霊もまた彼のことは知っているらしい。
「温和でね」
「日下部さんも優しいと思うけれど」
「あの人は窮屈なところあるじゃない」
「軍人だったからね、それはね」
「そこが違うんだよ」
「そうそう、それに日下部さんってね」
チンパンジーの幽霊も言う、一行はさながら手塚治虫のジャングル漫画の様に仲良く古墳に向けて行進している。
「水族館の方が好きであっちにいることが多いから」
「あの海軍だからね」
「海が好きだからね」
カバの幽霊とニシキヘビの幽霊が話す。
「その辺りはどうしてもね」
「出るよね」
「陸軍だったら違うと思うけれど」
「海軍だとね」
「そうなんだよな。あの人はさ」
猫又も彼独特の後ろ足二本で歩きながら前足を組み話す。
「海の人なんだよな」
「けれど動物園って海の生き物もいるよね」
「そうよね」
ここでこう言う二人だった。
「アシカさんにアザラシさんに」
「ペンギンさんもだし」
「シロクマさんも海に馴染んでるし」
「セイウチさんも」
「寒い場所の動物ばかりだね」
そのシロクマの幽霊が二人に突っ込みを入れる。
「見事なまでに」
「あっ、そういえばそうね」
「気付いたけれど」
「海の生き物も多いけれどね」
このことは事実だ、しかしなのだ。
「鯨さんとかは水族館に行くからね」
「ウミガメさんもよね」
「他にはイルカさんも」
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