TURN64 バルバロッサ作戦その四
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「遂にはじまりますね」
「そうだ。バルバロッサ作戦だ」
「そろそろだとは思っていましたが」
「準備はもう出来ている」
ドイツは確かな声でオーストリアに答える。
「そして作戦計画もだ」
「全て整っていますね」
「相手の数と装備、配置も全て把握している」
そういったことの情報収集もしていたのだ。
「後はだ」
「作戦を発動するだけですか」
「そうだ。全てはな」
「何か緊張するずらな」
ルーマニアも今は表情に余裕がない。
「ソビエトに一気に攻め込むなんて」
「そうだっぺ。こんな大作戦はじめて聞いたっぺ」
デンマークも驚きを隠せない。
「凄い作戦になるっぺよ」
「この作戦に勝てばあれなんよな」
ポーランドだけはいつもの調子だった。
「ドクツ最強になるんよな」
「ええ、その通りよ」
グレシアがそのポーランドに答える。
「ソビエト全土を手に入れるのよ」
「欧州の東とそしてソビエト全土ですね」
ドイツ妹はバルバロッサ作戦成功の暁に手に入れられる領土と資源、人口のことを考えている。それは途方もないものだった。
「エイリスも凌駕できますね」
「その後で実際にまたアシカ作戦を発動するわよ」
そうするというのだ。
「いいわね、それで」
「はい、わかりました」
ドイツ妹は確かな声で宣伝相に答えた。
「では後は」
「もうすぐグレシアが来るわ」
この作戦の全てを計画立案し発動する彼女がだというのだ。
「ヒムラーが呼んでいるわ」
「ヒムラー」
「あの男だか」
ノルウェーとスウェーデンは彼の名前に微妙な反応を見せた。
「北欧にいたべ」
「それでもバルバロッサには参加するだな」
「人材は少しでも必要よ」
グレシアはドクツの今の事情も話した。
「親衛隊はそれだけの戦力なのよ」
「それはその通りですね」
ハンガリーも思うところはあるがグレシアの言葉に応えた。
それはグレシアも同じだったがあえて言ったのである。
「いいわね。それで」
「はい」
ハンガリーは思うものを隠してグレシアの言葉に頷いた。
「では親衛隊も参加ですね」
「そうよ。それじゃあね」
グレシアは提督達と国家達を見回して告げた。会議室は機能的かつ機械的であり贅沢とは無縁の場所だった。
そこにいてこう言ったのだった。
「レーティアが来たらね」
「はい、それでは」
「その時に」
皆背筋を正した、そしてだった。
そのレーティアがヒムラーの案内で部屋に入った。皆その瞬間に起立してドクツのあの右手を斜め上に挙げた敬礼で言った。
「ジークハイル!」
「ハイルアドルフ!」
「お早う、諸君」
レーティアも応える。だがその顔には疲れがあった。
その疲れを抑えたまま己の席に向かう。椅子
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