第十四話「チーム戦」
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方七十メートルと百メートル程先に人の気配があるから恐らく待ち伏せ。どうやら敵は後の手を取るのが得意のようだな。
クレアに気配がすることを述べてから意見を上げた。
「ここは二手に分かれて各個撃破しよう。俺は奥の敵に奇襲を仕掛けるから、クレアは手前の敵を頼む。倒したらそのまま挟撃だ」
「わかったわ」
「よし。なら俺は行くぞ」
横の茂みに足を踏み入れた俺は『気殺の法』で気配を殺し、低姿勢で地を這うように移動する。
人は視線に敏感なため視線もぼやかして踏みしめる草や土の音を殺す。呼吸と心拍数も最小限に留める。
向かいの茂みに隠れる雷精霊使いに気付かれないように通過して奥へと進んだ。
――むっ、あれは……。
視線の先には開けた空間があり、そこには小さな祭殿があった。小さくシンプルな作りをしているが立派な祭殿だ。
その祭殿の上で一人の少女が舞っていた。
プラチナブロンドの髪をした女の子だ。手にした木製の杖を振りかざし儀式の舞を踊っている。
――あれは儀式神楽か! この短時間にここまでの祭殿を用意できるとは思えん。恐らくは昨夜のうちに準備したか……。
そこまでの意気込みでこの勝負に臨んだのか。見上げた心意気に感服した。
――なら俺も全力で以て応えよう。
更に気配を殺した俺は足音を立てず、静かに儀式を舞う少女に近づいた。
彼我の距離が二十メートルを切ったところで無呼吸に移行。同時に心臓を完全停止させて周囲の空間と完全に同調する。今の俺では無呼吸、血液停滞状態での駆動時間は最長一時間。さらに過度な運動をすれば三十分だ。その間に仕留めなければ……。
そっと音もなく近付き少女の背後に回った俺は無防備な首筋に狙いを定めた。
夕凪流活殺術枝技――螺旋指点抜き手!
右手の中指以外を折り曲げて延髄の五ミリ下にあるツボを突く。指先に神威を針状に集中させてさらに捻りも加えた突きは、少女の経絡秘孔に寸分違わずに命中した。衝撃と流し込んだ神威によって速やかに意識を断つ。
少女からすれば何が何だかわからないうちに気を失ったことだろう。気が付いたら学院の保健室だから後で混乱するだろうな。
崩れ落ちる少女の腰を支えて祭殿の上に仰向けに寝かせる。ついでに野良精霊に襲われないように障壁を張り、俺はその場から姿を消した。
止めていた呼吸と心臓を再起動させて速やかにクレアの元に向かう。
「このっ、ちょこまかと!」
「当たると危険。避けるの当然」
クレアが炎の鞭を振るう度に、相手の雷精霊使いはひょいひょいと避けている。意外と身
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