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なりたくないけどチートな勇者
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逐できるだろう。」

いや、サザールスって誰よ。

「…とりあえず、これは王様や信用できる方々としっかり話し合って決めて下さい。」

自分はにげた。
ぶっちゃけ全部ガルクさんに丸投げな発言でしめた。

「ああ、貴重な意見をありがとう!感謝する!」

そう言って興奮しながら満面の笑顔を見せるガルクさん。
やはり、あの二人の親だけある。
百面相が半端ない。

「…いえ、それほどでも。」

そしてその笑顔が自分に罪悪感をなげかける。

だって、子育ての話しから派生したでっちあげだもん。

と、自分が一通り罪悪感に虐められていると、ガルクさんは近くのメイドさんに果実酒を要求した。
そして運ばれてきたグラスにはいったそれを軽く煽った。
もはや雰囲気が、ただの夕食になっている気がする。

そしてそれに便乗ってか、メイドさんがみんなに同じものを配ったので、他の人もみんなそれを飲む。

その時自分はなぜかゼノアとシルバちゃんから悲しい目で見られていた。
理由はまったくわからない。

ちなみに自分はもちろん酒は断った。
国の決まりで二十にならない限り酒は飲めないと言って下げてもらった。
だってあんな苦いもの、飲めるはず無いじゃん。

そして、グラスを空にしたガルクさんが自分にこう聞いた。

「そういえば、ナルミ君は単独で魔獣を倒せる程の猛者だという話しだが…」

…まぁ、倒せますがね。
裏技使って。

てかこれは対決フラグでね?
早急に折らねば。

「…対魔獣でなら力を発揮できるだけです。」

つまり人相手には使えないと暗に言う、しかし

「しかも魔獣を倒した後に5000の軍勢を相手に無傷で勝利した程の力を持っているとも聞く。是非手合わせを願いたい。」

クソッ!
ばれてたか!

仕方が無い、ここは武器を持っていないのを理由に…

「ここにくる途中に伝説の武器を手に入れたともゼノアが言っていたので、それの使い心地を試すためとでも思ってお願いできないか?」

……ゼノアァァァ!

キッとゼノアを自分が睨むと、ゼノアはすまんと目で合図を送ってきた。
多分反応から察するに、睨まれたより見られたという認識しかしてないだろう。

これだからタレ目は嫌なんだ。

「…わかりました、ただあれは魔物を狩るのに使う物ですので別の武器を使用いたします。」

嘘も方便。
あながち間違っちゃいないが、そもそも狩猟笛を対人でつかって勝てるはず無い。

演奏してる間に殺られるのがオチだ。



かくして、自分対ガルクさんの対決が早急に決まった。

あの時のゼノアとシルバちゃんの視線の理由はこれだったのか。

そして、この時自分は誓った。



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