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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
終焉
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ような音が轟き、地面に亀裂が走った。
抱き合ったままで互いの表情は見えないが、泣くレンはマイが微笑したのをはっきりと感じた。
「………ありがとう」
耳元で、囁くような声。それがトリガーとなっていたかのように、レンの意識が急速に混濁し始めた。
レンという存在、マイという存在を形作っていた境界が消滅し、二人が重なっていく。
魂が溶け合い、拡散する。
消えていく。
消えていく。
消えていく。
どんどん暗くなっていく視界の中、レンは───
猫の鳴き声を聞いた。
───────────────────────────────────
そこは、真っ白な空間。だが、宙に浮かぶ無限とも言える数のウインドウはただただ砂嵐を映している。
そこに、マイがいた。一人ではない。向かいには、真っ黒な子猫。
「やれやれ、やっと終わったか」
その子猫が、喋った。深みのある成人男性の声だ。
「あのお方の出す問いにはいつもはらはらさせられるが、今回のは特別だったな」
その猫を一瞥し、マイは言う。
「………そろそろ元の姿に戻ったらどうなの?気持ち悪い」
余りにも冷たいマイの姿をしたモノの言葉に、子猫はくすりと笑って肩をすくめた───ように見えた。
その姿が見る間に変わって、瞬きする間に人間の姿をとる。長身のその影は、鴉のような漆黒のタキシードを着ていた。
「つれないなぁ。まあ私としても、この姿のほうが動きやすいと言ったら、動きやすいのだが」
そのタキシード男の言葉を、きっぱり無視するマイの姿をしたモノ。
「……こんなことをさせて、あの人の考えてることが解かる?」
「解かるはずがないだろう?天才の考えることは、凡才には解かるはずもない」
飄々と答える男の態度に、苛立ちさえも見せずにマイはどこか遠くを見る。もちろんその方向には何もない。
そんなマイなどお構い無しに、男は一人、舞台俳優のように叫んだ。
「さてお待たせいたしました!次なる舞台は、妖精乱れる妖精郷。恋焦がれる少年は、囚われの姫を救い出すことが叶うのでありましょうか!それでは、お席を立たずにお待ちくださいませ……………」
そう男が言い切ると、画面が見る見るフェードインしていく。
そして───
全てが暗闇に消えた。
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