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前略、空の上より
第三話「四様料理」
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せて普通の一般家庭に出るような食事を作ってもらっている。というか、あんな高カロリーの料理を口にしていたら一気に肥満体型になるのは目に見えている。品数も半端ないからメタボ一直線だ。


 嫌だよー、おデブになるのなんて。肥満になっても高血圧に高脂血症、血液はドロドロでアテローム硬化病変になって脳塞栓を起こすだけなんだから。得することなんて一つもない。まさに百害あって一利なしだ。


「今日の昼食は普段のとは一味違いますよ〜」


「へぇ、それは楽しみだな」


 口元を手で押さえ、抑えきれない笑みを零すハーピー妹に俺も微笑み返した。


 彼女のその楽しげな笑顔に否応なしに期待感が高まり、心なしか少しだけ歩く速度を速めていた俺はいつしか競歩並みの速度で食堂へ向かう。


 両扉のドアを開け放ち中に入ると、そこには既にイカロスたちがいた。


 食堂には長方形のテーブルが置かれており、普段はここでイカロスたちと一緒に食事を摂っている。


 俺の姿に気がついたハーピー姉が椅子を引いてくれたので、礼を言いながら着席する。


 料理はまだ並んでいなかった。


 イカロスとニンフ、アストレアの三人が各々の手に銀色のドーム状の蓋――クロッシュを被せた料理を持って奥の厨房から姿を見せる。イカロス以外はどことなく緊張した様子で強張った顔をしていた。


「ふふっ、今日の昼食はイカロスちゃんたちが用意したんですよ。マスターに食べてもらうんだーって」


「へぇ、イカロスたちが!」


 後ろで笑みを湛えながら説明するタナトス。我が子に向けるような慈愛の笑みにニンフとアストレアが身動ぎした。イカロスは相変わらずの無表情でコテンと首を傾けているが。


 イカロスたちが料理を作ってくれるなど始めてのことだ。思わず瞠目した俺の前にクロッシュで覆われた料理が並べられる。


「いつもマスターがオレガノたちの料理を美味しい美味しいって食べてるから、みんなも食べてほしいんだって。ねっ、姉さん?」


「あ、ああ……」


 クスクスと笑いながら顔を覗き見る妹から視線を外し口籠るハーピー姉。その頬はうっすらと赤ばんでいた。妹とタナトスの微笑みが深くなる。


「わたし、マスターに喜んでもらいたくて頑張って作ったんです!」


 ずずいっと身を乗り出し、ニンフが自身の料理を奨める。


「マスターの嗜好に沿った一品。栄養管理もクリア……」


 その隣では控え目ながらもしっかりとした口調のイカロス。


「ダウナーの料理を参考にしました! 三分クッキングって凄いですねマスター!」


 三者三様、自信があるようだ。アストレアの料理はそれとなく不安を感じ
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