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とあるβテスター、奮闘する
裏通りの鍛冶師
とあるβテスター、絡まれる
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ックに陥るだろうし、仮に冷静だったとしても彼らのブロックから脱出する手段がほとんどない。
転移結晶を使えば逃げることができるけど、あれは非売品な上に買うとしても結構な値段がするし、あの状況で咄嗟にその判断をするのも難しいだろう。
アイテムを取り出す前に妨害されて、転移結晶ごと身包みを剥がされるのがオチだ。

手口がやけに円滑だったところを見るに、彼らがああいった行為を働くのはこれが初めてというわけではないだろう。
本格的なオレンジではないとはいえ、何も知らずに迷い込んだプレイヤーが被害に遭う前に対策を立てる必要があるかもしれない。
今度、ディアベルにでも相談してみようかな。ああでも、あのシミター使いあたりに見つかるとうるさそうだなぁ……。

と、そんなことを考えながら周りを見回した僕は、

「……あれ?」
自分がいる脇道の更に奥、細い通路の突き当り部分に、一人の男が座り込んでいるのを発見した。

「あのー……」
「……あぁ?誰だオマエ。追い剥ぎなら他所でやれ」
僕が思わず近寄って話しかけると、向こうもこちらに気付いたようで、人の顔を見るなり面倒臭そうに吐き捨てた。
こういう場所だから仕方がないのかもしれないけれど、初対面の人間に対して随分と不遜な態度だ。

「んだよ、よく見りゃまだガキじゃねぇか。追い剥ぎごっこか?それとも迷子か?」
「どっちも違います」
フードの隙間から覗くこちらの顔を無遠慮に眺め、心底見下したように言う。
そんな彼の態度に、僕はちょっとイラっとしてしまった。
確かに目の前の男とはだいぶ歳が離れていそうだけど、僕はもう子供扱いされるような年齢じゃない。
というか、あんな追い剥ぎグループと一緒にしないでほしい。
こっちは彼らに追われていた側なわけで、あんなタチの悪いプレイヤーたちと同類に思われるのは心外だ。

「僕は追い剥ぎでも、ましてやガキでもありません。ここに来たのは───」
「ほお?」
「!?」
我ながら沸点が低いと思いつつも反論しようとした、その瞬間。
男の手が僕に向かって伸び、顔から30cmほど下───胸のあたりを鷲掴みにされた。
やられた本人である僕ですら唖然としてしまうほどの、見事なセクハラだった。

それだけに留まらず、男はそのままむにむにと指を動かし、

「あー、この手応えは……女にしちゃあまりにもお粗末っつーか……男、か……?男かよ……」
「な……」
正直ガッカリだよ、といったような顔で溜息をついた。

「チッ。んだよ、紛らわしい顔しやがって。リアル僕っ娘だと思った俺のときめきをどうしてくれんだよ」
「な、な……!」
「っつーかオマエも男なら顔赤らめてんじゃねぇよ、気色悪りぃ。言っとくが、俺はそんな趣味はねぇぞ」
「───ッ!!だったらその
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