第二十六話『一触即発』
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かここで決めてやろうではないか」
黒きIS“シュバルツェア・レーゲン”の左肩に装備された大型の砲台を一夏に向ける。
「……嫌だ。お前だってわかるだろ、こんな事で戦ってもあいつは絶対に望まないって」
「……貴様に何がわかる……あの人の事を!」
「!?」
砲口が火を噴いた。一夏のISは戦闘状態にはなっておらず、高速で飛来するそれはまさにぶつかろうとしたとき。
「いきなり撃ってくるなんて、ドイツの人は随分と沸点が低いんだね!」
「ほう……」
間一髪でシャルルは一夏の前に立ち、シールドで弾丸を弾き同時に両腕にアサルトライフルを展開、銃口をラウラへと向ける。
「ふふふ……」
「何が可笑しいの?」
「そのIS……成る程、所詮は模倣品か。どれだけ量産型が良くても技術力が低くては再現も難しいという事か」
「……!? まさか……」
「気づいたようだな、ならば見せてやろう……実物の力を!」
「くっ!」
シャルルとラウラはトリガーを引こうとしたが、互いの顔に緑の閃光が掠る。
「っ!?」
「ス、スウェン!?」
シャルとラウラの中間の位置に、ショーティーの銃口を二人に向けているスウェンが居た。
「何やら騒ぎがあると思って来てみたら、お前等か……双方銃を収めろ、教師が来るぞ」
「う、うん……」
普段とは違う声のスウェンに、シャルルはアサルトライフルを下ろす。だが、ラウラはまだ砲台をシャルルに向けていた。
「ラウラ、下ろせ」
「……隊長がそう仰るなら」
渋々了承したラウラは、レーゲンの戦闘状態を解除して、一夏とシャルルを睨んだ後アリーナゲートへと去っていく。
「……大丈夫か?」
「うん。一夏は?」
「あ、ああ。助かったよ」
シャルルはいつもの人懐っこい顔で一夏の顔を覗き込む。スウェンは再びノワールを待機状態にし、軽いため息を吐き
「二人とも、あまりラウラを悪く思わないでくれ。本来ならば自分から戦闘を仕掛けるような奴ではない、それだけは覚えておいてくれ」
そう言い残し、スウェンはアリーナから立ち去っていった。
「ラウラ……か」
「……」
ラウラの名を呟く一夏、一方のシャルルはスウェンの背中をずっと見ていたのであった。
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