第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
第5話:脱獄教唆
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助けろと言われてもどうしようもないだろうに…
そろそろ見張りが此方にやって来るタイミングだ。
早くこの場から逃げたい…と言うより、大きい声で話しかけないでもらいたい!
「頼むよトルネコさん!」
「た、頼まれても困ります…大体どうやって助ければ良いのですか!? 私は牢屋の鍵を開けられませんよ。コネも無いから、釈放をお願いする事も出来ませんからね!」
私は小声で遠回しに断りを入れる。
これ以上此処にいるのは本当に危険なのだ。
こんな場面を見張りに見られたら、絶対に仲間だと勘違いされ一緒に投獄されてしまう。
「トルネコさん…キメラの翼を持ってないか? 商人だったら、あんな便利アイテムを持っているだろう? それを1つくれれば、俺は静かに逃げ出せる。逃げ出せればレイクナバに戻って、真っ当に生活しようと思ってるんだ!」
「残念ながら「トルネコ…キメラの翼、買ってた…トムお爺さんの息子に、キメラの翼あげて…」
関わり合いたくない上、大事なキメラの翼を渡したくない私は、嘘を吐いて逃げ出そうと思ったのだが、トム爺さんに思い入れが出来てしまったリューラさんが、本当の事を言って脱獄を手伝わせようとする。
「ほ、本当かい!? 是非貰えないだろうか!? 一生恩に着るからさ!」
声がデカイ…
見張りが気付いてしまうじゃないですか!!
あぁ…困った。
隣ではトム爺さんを喜ばせたいリューラさんが、瞳を輝かせながら私を見上げている…
ここで私が断固拒絶をすると、リューラさんは私の事を嫌ってしまうかもしれない。
折角の無料ボディーガードを手放すのは非常に惜しい!
「わ、分かりました…貴方にキメラの翼を譲ります。……しかし、絶対に約束してください…もう二度と悪事を行わないと…そしてレイクナバから出ないと約束してください!」
脱獄の手助けをして、また彼が掴まったら…私の罪まで明るみに出てしまう。
「約束する! 本当に懲りたんだ…もう二度と悪い事はしないし、レイクナバで残りの人生を過ごすつもりだ!」
正直口約束なんて信じられないのですが、見張りの足音が近付いてきているので、急いでこの場を離れなくてはならない。
投げる様にキメラの翼をジェリーに渡し、リューラさんの手を引いて牢屋から逃げ出す私。
ジェリーが無事脱獄出来たのかは知らない。
結果を見る事もなく、急いでお城から出てしまったので、結果は分からない。
私が罪人にならなければそれで良いのだ。
トルネコSIDE END
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