第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
第5話:脱獄教唆
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方は大丈夫ですか?」
同じように尻餅を付いていたのに、私より先に起きあがり手を差し伸べてくれる王子様…
このメイドとは違い心優しい様だ。
「殿下!? その様な卑しき身分の者に触れてはいけません! 先日捕らえられた詐欺師も、この者と同じレイクナバ出身と言われております…殿下に近付くのが目的で、ワザとぶつかってきたのかもしれませぬ。早々にこの場を離れるのが良いと思います!」
何とも腹の立つ女が側にいるものだ…
心優しい王子様が、真っ直ぐ育たれて本当に良かった。
この女の性格が感染したしまったら、まさに悲劇としか言いようがない!
そんな事を考えながらメイドを睨んでいると、優しい王子様は私を立たせ…
「後で城下にある武器屋の裏に来てください…貴方にお願いしたい事があります。人目に付かない様注意してください…」
と、耳元で囁き去っていった。
はて…一国の王子様が、駆け出しの武器屋如きに何の用だろうか?
“後で”と言っていたが、どのくらい後が良いのかな?
もう行って待っていても良いのかな?
「トルネコ…レイクナバの人が、牢屋にいるって…」
私が待ち合わせ場所に行こうとしていると、先程の囁きを聞いてないリューラさんが、意地悪メイドの『先日捕らえられた詐欺師も、この者と同じレイクナバ出身』を指摘し、牢屋へと私を導いて行く。
罪人なんか放っておけば良いのに…
下手に見つかると、私達まで共犯者扱いされてしまいますよ…
だが、私の手を掴んだリューラさんは、ズンズンと地下牢の方へと進み行き、危険な場所へと連れ去るのだった…
ジメジメと湿気漂う地下牢。
イヤイヤではあるのだが、子供とは思えない凄い力で私を導くリューラさんに連れられ、見張りの兵に見つからない様に牢の中を覗きまくる私達。
すると、1つの牢に見覚えのある顔が…
誰だったかな?
じっくり眺め思い出そうとすると…
「あ、トルネコさん!? もしかしてレイクナバに住んでいるトルネコさんだよね!?」
「は、はい…私はトルネコですが…貴方は?」
突然に話しかけられた為、素直に名を名乗ってしまったが、失敗だったかな?
「俺だよ! トム爺さんの息子…ジェリーだよ!」
「!? 貴方が…トムお爺さんの…?」
突然の自己紹介……嬉しそうに驚くのはトム爺と心を通わせているリューラさん。
しかし何でトム爺さんの息子がボンモールの牢屋に囚われているんだ?
もしかして…さっき性格の悪そうなメイドが言っていた、レイクナバの詐欺師ってのは彼の事なのか?
だとしたら関わり合わない方が身の為だろうなぁ…
これ以上話しかけられる前に立ち去りたいです。
「なぁトルネコさん…助けてくれよ…出来心だったんだ。もう二度と悪い事はしないからさぁ…」
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