第一物語・後半-日来独立編-
第二十七章 目指す場所へ《3》
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に、
「怖いか……?」
問うのはセーランだ。
その問いに顔を縦に振る。
「ああ、もし失敗したら日来どころか私達もどうなるか分からないからな」
「だよね。メリットよりデメリットの方が高過ぎる。こんなこと世界から省かれた者や国から逃げて来た者達が集まる日来しかやらないよ。もっとも、こんな世界に不安を持ってるのは日来住民だけじゃないけどさ」
レヴァーシンクは飛豊の答えを肯定する。
進んでいるのかいないのか分からない空間のなか、彼らは会話を続ける。
「それよりもこれから辰ノ大花へ戦闘仕掛けるんだ、そろそろ準備していた方がいいんじゃない?」
言葉を続けたレヴァーシンクに入直は頷き、
「そうだよ、アタイの騎神見に行かないとね。あれ陸空装備だから定期的にメンテナンスしないとだからねえ」
「メンテナンスは任せてよ。それに騎神専用の武器もあるんだ、それの最終チェックもしないと」
「……行くなら早く行くぞ……」
「ジューセンが動きたくて仕方無いようだし、アタイらはここで失礼するよ」
じゃ、と左手を挙げた入直は継叉とジューセンを連れてその場を後にした。
「そう言ういやあ、変形した際に区域の配置も変わったんだったね」
「区域じゃなくて区画ね。先輩に連絡取れば分かるんじゃない?」
「別の船への移動は重力力場で作られた道を通るんだったっけな。宙に浮いた道を通るとなるとワクワクするねえ」
笑う入直を先頭に歩く三人の姿が遠くなり、ぼやけ、そして消えていった。
皆はその後ろ姿に手を振るのを止め、残りの者達で集まった。
「皆は準備とかってないんですか?」
美兎が皆に向けて言う。
機械部三人組を見て思った。自分は特に無い、と言うよりもまだ非戦闘員なのでする必要自体無い。
美琴や飛豊、来い和も非戦闘員。たぶん灯も。
学勢だからと言って、学勢全員が戦闘員とは限らないのだ。
質問に初めに答えたのはネフィアだ。
「わたくしはこれがあれば十分ですが、制服が汚れてはいけないので着替えて来ますわ」
と、右の手首に付けている銀の腕輪を見せる。
汚れ一つなく、銀が周りの光を反射させる。
「何にでも形を変えられる不思議な腕輪ですよね。日来に来た頃から付けてるのに今でも綺麗ですね」
背の低いロロアが銀の腕輪を見て言った。
「これは一応神具なので手入れはちゃんとしてますの。でも神具とは言え、正式な使用者として認められていないせいか、本当の能力が使えませんのよね」
「ですけど持ち前の身体能力でドカーンですよね」
「半獣人族と言えども獣人族の能力は受け継いでますので、並の者では敵ではありませんわ」
誇らしげにネフィアは胸の前で腕を組み、自信満々の仁王立ちを披露した。
おお、と関心するロロアの視線が輝く。
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