第一物語・後半-日来独立編-
第二十七章 目指す場所へ《3》
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いしな。皆もそれでいいだろ」
皆は頷く。
そうか、とセーランは言い、アマテラスにお願いすることにした。
「それじゃあ、アマテラス、様? 違和感あるな、アマテラスでいっか。目の前の霊憑山すっ飛ばして辰ノ大花にショートカット出来るか」
伝文がまた来た。
『空間移動ですね。可能ですが、これを行うと力をかなり使うのでしばらく協力出来ません。それでもいいと言うならば』
それでも答えは決まっている。
「頼むわ、この日来を辰ノ大花に送ってくれ。日来を救うために、そのついでに世界を救うためにさ」
伝文の受信音が鳴り、
『分かりました。ここから先は一切の連絡は取れませんので、力が回復したならば再び連絡致します。では、行ってらっしゃいませ“日が来訪する場所に存在する者達”よ』
読み終わり、前を向けば上へ傾いた船首が向く先。空間に亀裂が入り、それが大きな円となり暗黒が中から見える。
亀裂の大きさは日来がすっぽりと入る程大きく、まるで巨人の口のようだ。
混乱を避けるため“日来”は即座に連絡を飛ばす。
『これより日来は万象宗譜|《トータルスコア》に加護を提供している唯一の神、アマテラス様のご協力により辰ノ大花へと移動致します。目の前に見えます空間の切れ目はその為の道ですので、皆様混乱為さらぬよう』
連絡が届き終わる頃には船首の先が切れ目の中へと入り、それを防がんばかりの砲撃を黄森の戦闘艦は放つ。
しかしその砲撃は日来に届かず、無数の防御壁により防がれるだけだった。
●
「何なんだ、あの切れ目は!」
黄森の戦闘艦のなかは極めて張り積めていた。
突如として日来に近付けなくなり、先程は幾らか通っていた砲撃が今は全て弾かれている。
まさかの事態に備えるため切り札の黒明二艦を呼んだのに、その二艦はステルスに障害が起きたとか。結果としてステルス航行を行えないばかりか、戦闘艦は皆、日来に近付くことさえ出来ない。
鉄鋼艦としては前方に砲門を多数搭載し、主砲も機体の中に搭載している珍しい仕様だ。短期戦闘を意識した特殊な戦闘艦であり、そのため長期戦闘には向かない。
他国との交戦が何時行われるか明確に分からない今、これ以上の戦闘は黄森や神州瑞穂にとって有益にはならない。
それを悟った一人の隊員は、
「もう彼方側に任せる他ありません。日来に近付けないだけならまだしも、砲撃を全て防がれてはこちらは打つ手がありません。燃料のことも考えると、これ以上の戦闘は――」
止めた方がいい、と言おうとした時だ。前方に見える日来を目に映す隊隊長は、怒りをぶつけるように壁に拳をぶつけた。
音に若い隊員は驚き、経験を多く積んでいる隊員は真剣な顔立ちとなる。
「まだ終わったわけではない! 辰ノ大花へと戦闘が持ち越される
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