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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
立志の章
第5話 「ナ、ナニヲイッテイルノカナ、アイシャサン」
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「いや、実際被害を抑えれば良将となるよ、鈴々は。愛紗は攻防共に両立しているけど、相手側の裏を読むのが苦手?」
「う……」
「苦言で申し訳ないけど……どことなく相手を侮りやすい部分があるのかもしれない。武に誇るのと相手を侮るのは別次元だからね? 機を見るに敏ってのは将として正しいけど、敵の策略に用心するのも必要だよ?」
「それは……確かに。あの模擬戦もあまり深く考えずに突撃してしまいましたし……」
「相手は見縊らない、過大評価もしない。敵を知り、己を知れば百戦危うからず……たしか孫子だったかな?」
「……お詳しいのですね」
「一応、軍略書は読んだよ。アーカムの教育は知識の宝庫だったしね。とはいえ純文学とかは一刀が専門で、俺は主に戦闘関係が多かったけど」
「……一刀殿も盾二殿と同じくらいお強いのですか?」
「スピード……速度なら一刀が上かな。それに一瞬の判断力と瞬発力……あいつはね、『矛』なんだよ」
「矛?」
「そ。アイツが攻撃、俺が防御……そう役割分担して隊を指揮してきたんだ。俺は守勢が得意だけど、こと攻撃の機を見る嗅覚は一刀の足元にも及ばないと思ってる」
「盾二殿がそこまで……」
「ああ、一刀はすごいよ? ほんとうにね……」

 にゃ、なんか難しい話をしているのだ。
 鈴々は空気を読んで黙っているのだ。

「盾二ーっ!」

 あ、こーそんさんのお姉ちゃんがお兄ちゃんを呼んでいるのだ。
 桃香お姉ちゃんと星もいっしょにいるのだ。

「なんだ?」
「ああ、お前達は左翼についてくれ。星が右翼、私は本隊だ」
「新参の我々に左翼全体を……公孫賛殿は剛毅ですな」
「白蓮でいいって。あの時、お前達にも真名を預けたつもりなんだがな」
「これは失礼しました。では私も愛紗で」
「鈴々でいいのだ!」
「ああ、頼む。敵は烏合の衆かもしれないが用心してくれよ」
「わかっている。みんな俺が守るさ」
「頼りにしてるよ、ご主人様」

 にゃ?

「……桃香、その『ご主人様』って、なに?」
「え、だめ? なんか盾二さんって天の御遣いだし、武も知もすごいし、私たちのご主人様っていってもいいかなーって」
「いや……さすがに、それは。大体、俺は君に力を貸すといったじゃないか」
「うん。だからね、ご主人様」
「………………どうしてそうなる」

 お兄ちゃんが頭を抱えたのだ。
 にゃあ、お姉ちゃんがこうなると頑固で退かなくなるのはいつものことなのだ。

「愛紗、何とか言ってくれ」

 お兄ちゃんがため息をしつつ、愛紗に助けを求めているのだ。
 いつもの愛紗ならここでお姉ちゃんを嗜めるのだ。

「………………」
「愛紗?」

 にゃ? 愛紗がなにか考えているのだ?

「いえ、桃香様の言うとおりです。
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