立志の章
第5話 「ナ、ナニヲイッテイルノカナ、アイシャサン」
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名『星』を預けるにふさわしい武人とお見受けする。そしてそのお三方を率いる劉備殿の徳もな。受け取ってもらえるだろうか?」
「ああ。お主の真名を受け取ろう。なれば、我が真名『愛紗』を受け取ってくれるか?」
「鈴々も『鈴々』と呼んでいいのだ!」
「ありがとうございます、趙――ううん、星さん! 私は『桃香』っていいます。どうか私の真名も受け取ってください!」
「俺は真名がないんだが……盾二でいいよ。ありがたく受け取ろう、星」
私達五人が、がっちり手を合わせあう。
「おーい、私をのけ者にするなよう……」
あ、ごめん。忘れてたよ、白蓮ちゃん。
「公孫賛様!」
「どうした!?」
あれ? 城のほうから誰かが馬で走ってくる。
白蓮ちゃんはその人と話していると、なにか指示を出してその人を城へ帰した。
「どうしたの、白蓮ちゃん?」
「ああ、みんな聞いてくれ。さっそく出番ができた」
白蓮ちゃんが真剣な顔でみんなを見る。
「近くの邑が賊に襲われているらしい。すぐに討伐に出る!」
私達の初陣が決まった瞬間だった。
―― 張飛 side 北平近郊 ――
こーそんさんのお姉ちゃんが兵隊さんたちを集めた後、鈴々たちは村を襲ったという賊の討伐に来たのだ!
数は少なくとも五千はくだらないとお姉ちゃんは言うけど、鈴々たちには関係ないのだ!
敵は『突撃! 粉砕! 勝利!』なのだ!
「いやいや……ちゃんと考えて動かないとだめだろ」
にゃ、お兄ちゃんは鈴々の心が読めるのか?
「さっきから声に出ているよ」
そうだったのか。気づかなかったのだ。
「それはともかく……それだとさっきの模擬戦みたいにまた兵を減らすことになるよ。鈴々は攻撃力が高いのだから、それを維持できるように損害を減らすこともできれば、とても良い将になれると思うよ」
「にゃー……守るのは苦手なのだ」
「守るってわけじゃないさ。突撃した時だってただ突撃するのではなく、味方が減らないように相手の後ろからとか側面から攻撃するんだ。そうすればこちらの兵は減らずに済む」
「なるほどー! そのとおりなのだ!」
「それに模擬戦のときの突撃。四度目で一度退いたあたり退却の勘はいいし、鈴々は被害を少なくすることを覚えれば強い将になれるはずだよ」
「わかったのだ! お兄ちゃんの言うとおり、これからは被害を出さないことも考えて突撃するのだ!」
さすがお兄ちゃんなのだ!
鈴々、今まで突撃することしか考えなかったのだ。
でも、それだと怪我をする人が多いのがわかったのだ。
お兄ちゃんの言うとおり、突撃しながらみんなの安全も考えるのだ。
「あの鈴々が……さすがです。盾二殿」
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