立志の章
第5話 「ナ、ナニヲイッテイルノカナ、アイシャサン」
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。
盾二さんの指揮はそれほどに――まさに神がかっていた。
「完敗です……ここまでとは。ぐうの音もでませんでした」
「負けたのだぁぁぁぁぁ……」
愛紗ちゃんと鈴々ちゃんが、ぐだっとした顔で戻ってくる。
うん、わかるよ。私も絶対勝てなかったと思う。
むしろ、よく善戦できたね、といいたい。
「丁度二人がこちらを挟んで分かれてくれたからさ。お互い連携取れないなら逆に好機だと思ってね。うまくいったのはいいけど……ちょっと冷や汗ものだったよ。うちの隊の皆が頑張ってくれたおかげさ」
盾二さんは謙遜しているけど、あの指揮でそんなこといわれてもなあ。
なにより……
「いや、手も足も出なかった……なにより『一兵も減ってない』状況では、何を言われてもな」
愛紗ちゃんが首を振り、項垂れる。
そう、盾二さんの隊は多少怪我を負った人はいても、戦闘不能になった人は皆無だった。
模擬戦で剣も矢も刃をつぶしたものが使われるけど、それでも怪我人や死人が出ることは多い。
にも関わらず……盾二さんの隊だけ怪我はしていても、みんな笑ってられる程度で済んでいる。
「まあ、俺は小さい頃から傭兵経験もあったし……一応、アーカムのA級チームでも隊を率いていたしなあ。それなりに下地があったからだよ」
盾二さんが苦笑しつつ、頬を掻いている。
でも、すごかったよ。
愛紗ちゃん達には悪いけど、もう、もう……そう、無敵って感じだった。
「三人ともお疲れ様……盾二、すごいな。正直ここまでとは思わなかったよ。最初は半信半疑だったが……桃香の言うとおりだった」
「でしょ♪ 盾二さんは天の御遣いだもん! でも、私もちょっと、ううん! すんごくびっくりしたよ!」
「お前がびっくりしてどうするんだ、桃香……」
白蓮ちゃんが呆れたように言ってくる。
そりゃ信じていたけど……予想以上だったんだもん!
「関羽も張飛もなかなかだった。関羽は攻防にすぐれていたし、張飛の突破力はすさまじいと思う。二人とも今後も頼むよ」
「いえ、盾二殿には及びませんが……お気遣い、感謝いたします」
「うう〜悔しいのだぁ……」
二人ともあんまり喜べないみたい。
それだけ盾二さんの指揮がすごかったんだけどね……
「そうしょげるな、関羽、張飛。私も見ていたが、私が二人の立場でも北郷殿には勝てはしなかったろう。それほど卓越した指揮だった……」
「趙雲殿……」
「正直、武人として悔しいが……その指揮には見習わせてもらおう。お主や張飛の指揮も見事だった。お主らの力をこの趙雲、しかと見届けた」
「ありがとう、趙雲殿……」
「星でよい」
「?」
「二人、いや盾二殿を含め、三人ともその力は比類なきものとお見受けした。我が真
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