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ヴァレンタインから一週間
第17話 西宮の休日?
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 もしも、ここで俺が明日の予定を口にしたとしても、一蹴の元に却下される事は間違いない、と言う雰囲気を纏って居ますから。

「明日の俺は忙しいで。なんせ、ここに来て本を読んで居なければアカンからな」

 昨日と同じ内容の台詞を口にする俺。それに、昼間の内は出来る事が限られているのも事実ですし、まして、結界材を打ち込むような怪しい作業を行っているトコロを、このハルヒに発見される訳には行きませんから。
 一般人の目も有りますから、少なくとも、今日と明日の狭間ぐらいの時間帯に成るまでは、怪しげな行動は慎むべきですからね。

「昨日も教えて上げたと思うけど、正しい日本語の表現方法で、さっきあんたの言ったそれは、暇って言うのよ」

 先ほど、俺の事を非常に冷たい視線で見つめた事など忘れたかのような雰囲気で、そう言って来るハルヒ。御丁寧な事に胸の前で腕を組んだ形で、右手の人差し指が、何かのリズムを刻むように動かしながら。
 もう大丈夫。昨日出会ってから、先ほどの問い掛けが行われるまでの彼女に戻って居ますから。

 何故か満足そうに首肯いた後、

「そう。あたしも暇だったら、来て上げても良いわよ」

 矢張り、少しツンデレっぽい台詞を口にするハルヒ。どうも、コイツは、多少、ツンデレ体質を持って居る人間で有る事だけは間違いなさそうですね。
 但し、へそ曲がりの気質も多めに持って居るようですから、ツンデレお約束の対応を期待する事も難しい相手のようなのですが。

 それに、別に俺相手にツンデレ体質を発揮しなければならない訳でも有りませんし。

「それなら、明日も当てにせずに待っているわ」

 俺がやる気を感じさせない答えを返した後に、書架に向けて歩み始めた。
 その際に、昨日と同じように手の平を軽薄そうにひらひらと後ろに向けて振る事によって、別れの挨拶と為す。

 そして、後、二歩進めば書架に辿り着く、其処でふと何かを思い付いたように立ち止まる俺。
 そして其処で振り返り、俺の背中を見つめていたハルヒと、再び視線が絡み合った。

 そうして、

「べ、別に、あんたの事なんか待っていないんだからね!」

 突如、発せられる意味不明の言葉。
 その言葉は、何事かと思い振り返った俺を見つめていた少女の表情を、呆れ果てた表情に変えるには十分な破壊力を備えている言葉では有った。

「これが正しい、ツンデレの対応と言うヤツやで」

 呆れた顔を俺に見せ続けて居るハルヒを見つめて、何故か小さく首肯きながら、何かをやり遂げた人間のみが許される表情を浮かべる俺。
 そして、今度は正面から右手を軽く上げるような仕草で別れの挨拶を行った後、

「そうしたら、明日もここに来て待っているから」

 ……と、軽く伝え
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