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ヴァレンタインから一週間
第17話 西宮の休日?
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ケ話を聞いて、現在、勉強をしている雰囲気をまったく感じさせない人間を前にしたのなら、心配して問い掛けて来たとしても不思議では有りませんか。まして、有希の方は、俺が一切の試験勉強を行っていない事は知って居ますから。

「担任の話では大丈夫だと言っていたで。中学三年間で、俺の国語、理科、社会の最低点は八十二点。この三教科だけならば、定期テストでは学年で三百人中十番以内の常連やったからな」

 一応、現在、余裕の表情で隣の県の図書館にやって来て、本を読んでいられる理由についての種明かしを行う俺。
 それに、ついこの間行われた実力テストの結果は、社会と理科は九十点オーバーでしたから。

 そう。俺は、得意教科と不得意教科が天と地ほど差が有る人間なんですよ。担任からも、その辺りについては中学三年間ずっと指摘されていたけど、一切、変わる事は無かったのですけどね。
 どうも根が怠惰で、一回聞いたら覚える得意教科と、繰り返し聞いても一向に覚える事の出来ない不得意教科と言う物を作り出したみたいなのです。

 もっとも、仙術を使用したら、一時的な記憶の強化ぐらい訳はないので、何とか出来なくもないのですが。

 そして、完全に呆れ果てた、と言う表情で俺を見つめていた少女と、更に、【霊道】の先に繋がっている少女に対して、

「どうやら、俺の事を心配してくれたみたいやけど、俺は大丈夫やから」

 ……と、伝えて置いた。
 特に、有希の方が俺の高校受験が目前で、結構、ヤバそうな雰囲気だと言う風に思われると、どんな対応に出て来るか判りませんから。
 先ほど、彼女……有希が発した雰囲気は、そう言う類の雰囲気でしたから。

「それでも、心配してくれてありがとうな」

 しかし、有希にしても、そしてハルヒにしても、俺の事を心配してくれた事には代わりないでしょう。そう思い、二人に対して同時に感謝の言葉を告げて置く俺。

 その言葉を聞いたハルヒから、一瞬、微妙な気が発生した。そして、

「べ、別にあんたの事なんか、心配なんかしてはいないわよ!」

 まるでツンデレ少女の如き雰囲気の台詞を口にするハルヒ。どうやら、不意を突かれた際に発した微妙な雰囲気が彼女の御気に召さなかったらしい。
 もっとも、気を読む事が出来る俺に取っては、多少、表面を取り繕ったとしてもあまり意味はないのですけどね。

「そうか。それならそう言う事でええ。それに、オマエさんが俺を心配して言った訳では無くても、俺の方は、さっきの言葉は俺の事を心配してくれたように感じたからな」

 珍しく俺から視線を逸らして、在らぬ方向に視線を泳がせているハルヒに対してそう話した後、読んでいた本を書架に戻す為に、有希が居るはずの場所に向かって歩み始めた。
 そして、俺の座っていた
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