第17話 西宮の休日?
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い。そう、思い込む事によって精神の安定を図った後に、そう言うクダラナイ台詞を口にする俺。
しかし、
「そんな、無軌道で、その上、間違った自由への逃亡劇はアンタ一人でやりなさい」
非常に冷たい視線で俺を睨め付けながら、視線に等しい台詞を口にするハルヒ。
そして、更に続けて、
「そもそも、ベスパに乗って市内を走るのは間違ってはいないけど、その後が違い過ぎるじゃないの。それに、アン王女はベスパの後ろになんて乗っていないわよ」
……と言って来た。
ただ、先ほどの冷たい視線の時も、そして、今の台詞に関しても、そう不機嫌と言う雰囲気では有りませんでしたが。
さて、そうしたら……。
少し、左腕に巻かれた腕時計の文字盤に視線を送る俺。時刻はそろそろ午後の四時を回り、窓から見える外の様子も、冬の日特有のやや低い雲に覆われた、見る者を陰鬱な気持ちをもたらせる蒼穹が存在し、そして、冷たい夜を予感させる氷空が広がっていた。
そろそろ頃合いかな。
そう考えながら立ち上がる俺。これから、沈黙の姫を連れて、再び麻生探偵事務所に転移しなければ成らないので、何時までもこの目の前の我が儘王女の相手をしている訳には行きません。
まして、今夜から、天魔ラゴウ悪大星君の能力を封じる為の晴明桔梗印を画く準備に取り掛かる必要が有りますから。
もっとも……。
図書館に設えられた座り心地の悪いイスから立ち上がった俺が、さり気ない雰囲気でひとつ伸びをした後、涼宮ハルヒ……。三年前の七夕の夜に邪神の因子。何らかの魔術の生け贄となり、黒き豊穣の女神の因子を植え付けられた可能性の高い少女を、改めて見つめ直す。
「何よ?」
視線を逸らす事もなく、真っ直ぐに見つめ返して来る少女。その仕草や雰囲気からは何処からどう見ても普通の少女で、何ら不審な点を感じる事は有りません。
いや、確かに、何らかの霊気のような物は感じますが、邪悪な存在と言う連中が、世界に与える違和感のようなモノを彼女の傍に居ても覚える事はない、……と言うべきですか。
「別に」
彼女から少し視線を外しながら、短く、簡潔に答える俺。但し、これは意図した物ではなく、正面から彼女の視線を受け止める事に耐え切れなかったから為した行為。
どうも、俺自身が他人と視線を絡ませ合う事は苦手としている……らしいので。
もっとも、先ほどの行為事態が既に、少し挙動不審な行為だった可能性は有りますが。
「アンタ、今年高校受験だったら……」
そんな、俺の挙動不審な行為に対して気付く事もなく、彼女にしては珍しく少し言い淀むような雰囲気で、何かを伝えようとして来るハルヒ。
こう言う
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