第17話 西宮の休日?
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胡散臭い存在のようなので、そいつ等の元に彼女を戻す事自体が、かなり危険な行いのような気がして仕方が有りませんからね。
「余裕が有る訳やなしに、事情に関しては説明出来ないけど、複雑な家庭の事情と言うヤツで、しばらくの間この西宮に居る必要が有るんや」
それでも、そんな答えを返す訳も行きませんし、有希に対して、俺がそんな事を考えて居ると言う事も知られたくはないので、ここは当たり障りのない台詞を口にして置く。
そして、更に続けて、
「そんなに出来のよろしくない、その上、根気もない俺に取っては、この時間は休憩タイム。所謂、西宮の休日、と言う感じかな」
……と、そう言ったのでした。
そして、その台詞の後に続く奇妙な空白。その空白の最中に、少し意味あり気にハルヒを見つめる俺。
「なによ」
その俺の視線に対して、即座に反応したハルヒが、そう問い掛けて来る。昨日もそうでしたが、彼女の持って居る間と言うのは、非常に相手のし易い相手だとは思いますね。
この空白は、当然、ツッコミ待ちの空白で有る事は言うまでも有りません。
そのハルヒの問い掛けに、ひとつ意味あり気に首肯いて見せた後、
「こうやって、我が儘でヒステリー持ちのお姫様に捕まって仕舞ったトコロからも、あの話に何となく通じるトコロが有るな」
ワザと我が儘でヒステリー持ちの部分を強調するような言葉使いでそう言った俺が、かなりエラそうな顔でハルヒを見つめた。
やや胸を張ったような姿勢付きで。
「誰が、ヒステリー持ちで我が儘だって言うのよ」
ドヤ顔で彼女を見つめて居る俺に対して、そう答えるハルヒ。当然、お約束の表情付きで。
つまり、それまでの彼女とは違い、口を尖らせ、かなり不満げな表情を俺に見せながら。
そして、
「大体、あんたの何処を見たらグレゴリー・ペックに見えるって言うのよ」
……と、十人並みの外見しか持たない俺を睨み付ける美少女。
むう。世界はかくも無情だと言う事ですか。
少し、天井を恨めし気に見上げた後に、わざとらしくため息をひとつ吐く俺。そう言えば、昨夜は有希にイケメンにしてくれ、と頼んだ時にも冷たい瞳で一瞥された挙句、首を横に振られたのでしたか。
折角、イケメンに付き物の設定、オッド・アイを手に入れたって言うのに……。
「仕方がないな。それやったら、グレゴリー・ペック張りにベスパの後ろにオマエさんを乗せて西宮市内を爆走した挙句に、夜中の校舎に潜り込んで、訳もなく窓ガラスを叩き壊して回るしかないのか」
取り敢えず、この鬱陶しい視線を送って来るデバガメ野郎どもが全て悪
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