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ヴァレンタインから一週間
第17話 西宮の休日?
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の台詞に関しては、そう不機嫌な雰囲気を発して居る訳では有りませんでした。……と言う事は、この対応が、デフォルトの彼女の対応だと言う事なのでしょう。
 どうも、彼女、この涼宮ハルヒと言う名前の少女に関しても、有希と同じように人付き合いが苦手な人間で有る事は間違いないようです。

 ベクトルはかなり違うとは思うのですが。

「事情と言う部分に関しては、詳しい内容を明かす事は出来へん。但し、忙しい理由なら説明出来るな」

 流石に、アンタに邪神の因子を植え付けられた、……と言う過去の書き換えが行われる為に何らかの意味が有って、異世界から俺が呼びつけられて、ラゴウ星を相手に戦わされる準備をする必要が有る、と正直に答える訳には行きませんか。
 もっとも、例え正直に話したとしても、このへそ曲がりに真面に信じて貰える訳はないので、問題ないとも思うのですけどね。

「じゃあ、どう見ても暇そうに本を読んでいるあんたが、忙しい理由とやらを話してみなさいよ」

 かなり、悪意……と言うほどの物でもないのですが、嫌味たっぷりの台詞で俺を追い詰めて来るハルヒ。
 確かに正直に言うと、この図書館に居る間は割と暇なんですけどね。それでも……。

「俺、こう見えても受験生ですから、結構、忙しいんですよ。今月の二十六日までには志望校に願書を出さなくちゃならないし、勉強に関しても最後の総仕上げをする必要が有るからね」

 そう、ハルヒに答える俺。そして、この部分は事実です。虚偽の報告は存在しては居ません。

「一応、俺の住んで居る徳島は総合選抜制やから、ある程度の学力が有ればそれなりの高校には入学出来るんやけど、流石に来月の十二日には高校の受験が有るから追い込みの勉強する必要が有るのですよね、残念ながら」

 少し世の無常を噛みしめるような口調で、そうハルヒに対して説明する俺。
 そして、これも事実です。特に、俺の場合の学科試験は少し問題が有りますから。

 俺の言葉を聞いて、ハルヒが少しの驚きと、かなり呆れたような雰囲気の顔を見せる。
 そうして、

「あんた、受験生で、しかも、受験直前の二月に、隣の県のこんな所に居るなんて、かなり余裕があるじゃないの」

 ……と、ほぼ予想通りの言葉を掛けて来た。
 確かに、余裕が有るように見えて当然でしょう。しかし、実際は帰りたくても、元の世界に帰る事が出来ないので。
 まして、仮に帰る事が出来たとしても、有希に刻まれたルーンが指し示す暗い未来を払拭出来ない限りは帰る心算はないのですが。

 何故ならば、彼女に刻まれた人魚姫と言う意味のルーンについては、俺との契約に因って起きた事態の可能性が高いと思いますから。
 それに、彼女を元々製造した情報統合思念体と言う存在自体が、どうやら、かなり
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