第17話 西宮の休日?
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「でも、あんたもいい加減、暇よね」
俺の正面に陣取った壊れたスピーカーが、とてもでは有りませんが、静かなはずの図書館では許容されるはずのないレベルの音をまき散らせて居ました。
もっとも、何故か、耳障りは悪くはなかったのですが。
但し、何故か、そんな事を考えて仕舞う自分が少しだけ腹立たしく、読んでいた和漢に因り綴られた書籍から視線を上げて、目の前に座る少女を視界の中央に納める俺。
挑むような視線で、そんな俺を見つめ返すその気の強そうな少女。
「あのなぁ。俺はヒマやなくて忙しいの。そもそも、俺は、少々事情が有って、こんなトコロで大人しく本を読んでいるんやからな」
俺は、喉元まで出かかった、暇な受験生のお前にだけは言われたくないわ、と言う、ネタバレ的な台詞を辛うじて呑み込んでから、そう、当たり障りのない台詞を口にする。
そして、俺の方の声も、この周囲に他の来館者や司書たちの姿が存在しない場所で有ったとしても、ここが図書館内で有る事を考慮したのならば、多少、大き過ぎる声での答えで有った事は間違い有りませんでした。
その台詞を俺が口にした瞬間、先ほどの俺の【言葉】が気に成ったのか、俺から離れた図書館入り口に近い書架の間に存在する少女の元から、何か【念話】に成っていない気のようなモノが流れて来たのですが。
いや、流石にそんなに気にしなくても、俺は別に、俺の方の事情を、この目の前の邪神の因子を植え付けられた少女に話すようなマネを為す心算は有りませんから。
尚、現在の俺は、現実の言葉ではハルヒと会話を交わしながら、同時に、ハルヒに対して語った内容を有希に送ると言う行動を行っています。
その理由は、この会話は、流石に、邪神の因子を植え付けられた少女との会話に成る可能性が高い状況ですから。何処に、どんなトリガーが用意されていて、ハルヒに植え付けられた可能性の高い邪神の因子が活性化するとも限りません。
そう。そもそも、この目の前で、挑むような視線で俺を睨み付けている少女、涼宮ハルヒに植え付けられた邪神の因子がどのような切っ掛けで発動するのか判らない以上、ウカツに刺激するようなマネを為す訳は有りません。
そして、彼女に邪神の因子を植え付けた存在が俺の考えて居る存在ならば、ヤツの目的は、世界を混乱させる事が目的。そして俺達が混乱して右往左往する様を神の視点から眺めながら、ヤツに相応しい薄ら笑いを口角に浮かべるのが目的ですから、その結果、世界が滅びようとも、逆に邪神が封じられようとも関係はないはずです。
もう、現状でヤツの目的は既に達せられているはずですからね。
「何よ、その事情って」
少し不機嫌な、……と取られかねない口調で問い掛けて来るハルヒ。但し、彼女自身がこ
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