第二十二話 夏休みその十四
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「おかしかったんだな」
「そうだよ、ドイツの名前を無理に日本の名前にしてつけたんだよ」
「今の痛名前かよ」
「そんな感じだったんだよ」
「それもなんだな」
「ああ、しかもな」
それに加えてだった。
「傲慢で陰湿なところもあったらしいって」
「っていうかいいところあったのかよ」
「どうだろうな」
兄もそれを言わない。
「権力欲とか名誉欲も強くてな」
「本当に最低だったんだな、森鴎外って」
「民主党の歴代首相よりはましかも知れないけれどな」
「特にお遍路行った奴か」
「あいつは特に酷かったな」
俗に言うミスター最低人間だった。無能であるだけでなく癇癪持ちで自己中心的、権力と保身のことのみを考える輩だった。
「まあ森鴎外はな」
「あいつまではいかないか」
「多分な」
そうだというのだ。
「夏目漱石も鴎外程じゃなかっただろうな」
「漱石もだよな」
「お世辞にも褒められた人間じゃなかったみたいだからな」
「子供の頃二人共偉人って聞いたけれどな」
「ベートーベンなんか偉人の定番だろ」
「ああ」
美優もベートーベンの人間性は聞いている、この人物の人間性はどういったものだったかというと。
「凄い尊大だったんだよな」
「自信の裏返しでな」
「しかも滅茶苦茶気難しくて」
「肖像画にも出てるだろ」
「頑固だったよな」
これも彼の肖像画に出ていた。
「頑迷っていう位に」
「おまけにだ」
まだあった、ベートーベンの人間性の問題点は。
「凄まじい癇癪持ちだったんだよ」
「付き合いにくい人だったんだな」
「敵だらけだったらしいな」
その人間性のせいなのは言うまでもない。
「実際にな」
「まあそうだろうな」
「他にモーツァルトもだしな」
浪費家であり上品だったとも言えない手紙から性格破綻者だったと言われている。
「他にも一杯いるだろ、変な性格の偉人」
「だからかよ」
「ああ、偉人っていってもな」
「立派な人だけじゃないんだな」
「そうだよ。アンデセルセンだって傍から見ればだったしな」
この偉大な童話作家も生前は色々と言われていた。
「まあそういうのだからな」
「そうか」
「ああ、森鴎外はその中でも特に、だろうけれどな」
「偉人っていっても人間性はか」
「素晴らしいとは限らないよ」
兄は牛乳を飲みながら話していく。
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