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スペードの女王
第二幕その五
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「その為に私に近付いたの?」
「何を言っているんだ、君は」
「言わないで」
 彼の言葉を拒む。
「もうわかったわ。やっぱり貴方は私を」
「リーザ、君は勘違いしている」
「勘違いなんかしていないわ。貴方はお金の為に私を」
「確かにお金は必要だ」
 彼にとって金もリーザも同じになっていた。だがリーザはそれを知らない。それが裏目に出てしまった。
「やっぱり!もういいわ」
「何を」
「出て行って!もうお別れよ」
「リーザ・・・・・・」
「全ては私の浅はかからなのよ。何もかも」
 そう言ってゲルマンを部屋から追い出す。そして一人部屋で祖母の亡骸にすがって泣き叫ぶであった。自分自身とゲルマンの不実に対して。

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