第十三話 想い
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舞台は街、時刻は夜。俺は前と思うとまだマシな戦闘をこなしていた。
戦い方にも色々あり、正面から立ち向かっていくだけが戦闘じゃない。一定の距離を保ちながら、弾幕を張ることで少なくとも時間を稼ぐことはできる。
「……随分と地味な戦いをするようになったな」
「悪いね。負けるわけにはいかねぇんだよ」
「……だとしたら、引きずり出すまでだ」
その言葉とともに、佐倉が短く剣を振るう。そこからは魔力によって形成された衝撃波が飛んでくる。その攻撃は問題なくガードすることができる。いや……むしろわざとガードをさせるような一撃が……
「! しまった!」
ガードをした俺の攻撃が止む一瞬をついて、佐倉は間合いを詰めながら切りかかってくる。前回も似たような手に引っかかっているってのに……。
「セレネ、バスターモード!」
『了解です』
そう言うとともにデバイスの形を二挺拳銃から一本の大剣に変化させ、佐倉の一撃を受け止めそのまま払いのける。
この剣は佐倉のデバイスと長さはさほど変わらないが、その幅の広さは大体倍はある。普通だったら振り回すことすらかなわないような大きさだ。
「やっぱり戦闘って言うと剣だよな」
「……さっきまで時間稼ぎのために一定距離で弾幕を張っていた奴が何を言うか」
佐倉がなにか言っているがとりあえず今は無視だ。勝てば官軍なんて言う都合のいい言葉もあることだしな……。
お互いに距離を取り、お互いの武器を構え直す。
「竜翼牙!」
つかの間の静寂の後、先に動いたのは佐倉だった。
魔力を全身に纏った強力でダイナミックな一撃。この一撃を正面から馬鹿正直に受ける訳にはいかない。
俺は剣で受けることもプロテクションで防御姿勢をとることも諦め、その一撃を避けることだけに徹底する。
「……! 飛翔斬!」
「ショック・ウェーブ!」
一撃を避けて安堵するまもなく佐倉は俺に対して畳み掛けるように魔力での斬撃を飛ばしてくる。
先の一撃を避けているせいで、次も避けるなどという関節を無視したような動きをできるわけもなく俺も同じように衝撃波を飛ばすことでそれを相殺する。
「……なんだ。……普段銃を使ってる割には接近戦もある程度は出来るのか」
「お褒めに預かり光栄です……ってな」
おちゃらけたように返答をしながら今度は俺から攻撃を仕掛ける。
剣を振り回しているだけのような攻撃しかできないが、無理に型にそって剣技を繰り出そうとしても失敗をしてしまうだけだろう。
一撃、ニ撃、三撃と試行回数を稼いでも佐倉に対して攻撃が通る素振りはなくその攻撃は防がれてしまう。そんな中、先に均衡を破ったのは俺の方だった。
「ブレイク・セイバー!」
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