第十三話 想い
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「……!」
プロテクション等の防御魔法をも貫通する重い一撃。先程まで”避ける”ではなく”受ける”ことで防御をとっていた佐倉がこの急転換についてこれるわけもなくこの一撃は難なく通る。
そしてこの機を逃さないために俺は衝撃波を飛ばすことで畳み掛けようとする。
「フェイトちゃん!」
……がその行動は高町の悲痛な叫びにより中断されてしまう。その一瞬の隙に佐倉も体勢を立てなおしてしまったので俺はこれ以上踏み込むことができなくなってしまう。
俺は佐倉の動きに注意しながら高町の言葉に半分ほど耳を傾ける。それは佐倉も同じようであいつも俺の動きを警戒するに留まり、攻撃を仕掛けてこようとしない。
「これが、私の理由!」
「……私は……」
高町が自分のジュエルシードを集める訳を話し終え、テスタロッサが口を開こうとする。
「フェイト! 答えなくて良い!」
テスタロッサが口を開きかけた時、先程までユーノを追いかけていたであろうアルフがテスタロッサに対しそんな言葉をかける。年の近いテスタロッサにとっては高町の言葉は救いの声のように聞こえたのかもしれないが、アルフの耳にはただの偽善者の戯言としてしか届かなかったらしい。
こんな時俺達のどちらかが何か言えればよかったのかもしれないが、残念ながら俺たちはこの場に相応しい言葉は持っていなかったようだ。
【最優先事項はジュエルシードの捕獲】という言葉で我に返ったのか、戦闘の勝敗などそっちのけでジュエルシードに向かうテスタロッサ。反応が数秒遅れるがそれを追う高町。
そうだ……! このままじゃ……ヤバイ!
二人が動き出してから数秒後俺は重要な事を思い出して二人を追いかける。
俺の記憶が間違ってなきゃこの後……。
「二人共それに触れるな!」
だけどそんな言葉は今の二人には届くはずもなく……。
二人のデバイスがジュエルシードに触れる。
その時、一瞬、時間が止まったように感じた。……いや実際止まっているのかもしれない。
だが、そんなことを考えていられるのも、つかの間で止まった時間が弾けるように動き出し衝撃が発生する。
「「テスタロッサ!(ファイト!)」」
「「高町!(なのは!)」」
俺とアルフ、佐倉とユーノがそれぞれのパートナーの名前を叫ぶ。が、最後に響き渡ったのは高町の悲鳴だけだった……。
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