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スペードの女王
第二幕その三
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んだ」
 彼は言う。
「カードをね」
「!?」
 この言葉の意味はリーザにはわからなかった。
「それはどういうことなの?」
 怪訝な顔をして彼に尋ねる。
「カードって」
「いや、何でもないよ」
 それは顔にまで出ている陰の中に消した。
「気にしないで」
「そうなの。じゃあ」
「うん、またね」
 一旦リーザと別れた。彼はリーザに教えられた今伯爵夫人がいる部屋に向かう。その中で呟く。
「三昧のカードの秘密」
 彼はそのことを考えていた。同時にリーザのことも。
「それこそが僕がリーザと共に幸福になれるものだ。だから」
 彼は宴の場から姿を消した。まるで影の様に。
 その宴の場では俳優達が消えまた儀典長が出て来ていた。
「皆様、嬉しいお知らせです」
「あら」
「何かしら」
 客達はそれに顔を向ける。儀典長はその中で述べる。
「陛下が来られます」
 言わずと知れたロシアの主エカテリーナ二世である。かって公爵を愛人としていたあの女性である。

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