フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第五十三話 動き出す歯車
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「まぁ、そうだろうな」
「そんじゃ、少し出かけてくるわ」
「どこにだよ?」
「ウンディーネ領とスプリガン領、サラマンダー領に決まってんだろ」
「は、はぁっ!?一人で行く気か!?殺されに行くようなものだぞ!!」
「一人で言った方が色々と効果的だろ。そんじゃ、留守はよろしくなー」
そういってルシフェルは誰もが止めに入る間もなく、ソレイユから預けられた麻袋を持って執務室から出て行く。
「さてさて、ドロシーとシェイドは思うほど難しくないだろ。問題はモーティマーのばかだが、まぁ、何とかなるだろ」
楽観的とも取れる言葉だが、それとは裏腹にルシフェルは獰猛な笑みを浮かべていた。
「ったく、お前は面白いやつだよ、ソレイユ!」
周り一体が張り裂けるほどの濃密な闘気を発しながらここにはいないソレイユに向かっての言葉。
王をレネゲイトして以来、どこかやる気がなくなってしまったルシフェルだったが、今日のソレイユの言葉を聞いてから昔に戻った気がしてならない。
『停滞に興味はないんだよ』
リフレインされるソレイユの言葉。
「俺だってそんなくだらないもんに興味はないさ。だから、協力してやるよ。領民にそこまで言われて黙っていられるほど、俺は大人じゃないんでね!」
かつての妖精郷、戦国時代と言われた黎明期を生き抜き、『常闇の魔女』の右腕として活躍したプレイヤー、『獄色の雷電』ルシフェルが息吹を吹き返してそこにいた。
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