フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第五十三話 動き出す歯車
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て言っただろ」
そういって再び同じような麻袋を三つ出現させた。今度こそ、ルシフェルは驚きに眼を見開いた。
「これを持ってウンディーネ、スプリガン、サラマンダーと交渉してほしい」
「・・・何を企んでいる?」
その言葉を受けたソレイユは不敵に笑いながら口を開いた。
「聞いたよ、この世界の黎明期の話」
「・・・・・・」
「週末戦争に東西戦争・・・他にもいろいろあったらしいじゃないか。群雄割拠。まさにその言葉がぴったりだったってな」
「・・・だから?」
「強い者も弱い者もみんな生き生きしてたらしいじゃないの。それは、王のそばにいたお前らが一番わかってるだろ?」
「・・・・・・・・・」
「強さに限界はない、と思ってる。だけど、今のこの世界で強さを求めるなんてことはできない」
「なぜ、そう思う?」
「立ち止まった世界におれの求めるものなんてありゃしない・・・なぁ、ルシフェル・・・おれは“停滞”には興味がないんだよ。おれはおれの目標に向かって加速し続けるために生きてるんだ。だからこそ、こんなところで立ち止まる気はないんだよ」
そして、一度言葉を区切り言った。
「全種族で世界樹を攻略するぞ」
「「「「「「っ!?」」」」」」
驚きに眼を見開く後ろの六人。ルシフェルも表情にこそ出てはいないが、ソレイユの意外すぎる言葉に返す言葉もなかった。一度ためた息を吐き、再度ソレイユに尋ねた。
「そんなことをして、お前に何の得がある」
「損得がなければ行動しちゃいかんのかい?強いて言うなら、再び黎明期のような群雄割拠の時代が来ることを望むことくらいだね」
それだけ言うと、踵を返し出入り口となっている扉に向かって歩き出す。そんなソレイユに向かってルシフェルは口を開いた。
「お前の言うとおりに俺が動かないって可能性は考えないのか?」
「もしそうなったら、おれに見る目がなかったってだけだろ」
「最後に一つだけ聞かせろ・・・何が、お前を駆り立てる?」
それを聞いたソレイユは面食らった表情でルシフェルに向きなおり、不敵な笑みを浮かべた。
「んー、そう、だな・・・強くあり続けたいと願う心、かな」
「・・・なら・・・強さとはなんだ?」
またもや意外すぎる質問に一瞬呆けたような表情をするソレイユだが、質問の意味を理解するや否や、雰囲気を一変させ言い放った。
「今を息づく魂の力、だろ?」
◆
「それで、どうするんだ、ルシフェル」
ソレイユが執務室を後にしたため、沈黙が訪れた執務室内。それを破ったのはキセルをふかしていた眼帯を付けたプレイヤー、ベルゼだった。
「あんなこと言われちゃ、黙ってるわけにもいかないだろ・・・」
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