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少女1人>リリカルマジカル
第二十六話 少年期H
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 そんな俺の言葉に目を大きくしたそいつに背を向け、一気に走り出す。慌てた声が聞こえてきたが、足を止めるつもりはない。追いかけてきたって初動は俺の方が早く、デバイスを起動させる暇も与えるつもりはなかった。さっきの角とは反対の方向に向かえば、俺にとって庭のようなこの道で撒くのは容易い。

 まったく変な奴に会った、とまだヒリヒリする頭の痛みに眉を顰める。でもあんな風に誰かと会話をするなんて、久しぶりだったかもしれない。それも自分と同じ年代の子どもと。


 ……あぁ、そんな風に意識を逸らしていたのがいけなかったのかもしれない。角を曲がろうとした俺に、またもや衝撃が襲ってきた。しかも今回は前からではなく、後ろからの後頭部直撃。それはもう傍から見たら、見事としか言いようがないほどに綺麗に決まったと言われただろう。

 俺はなんとか後ろを振り返って、正体を見ようとした。すると、俺の頭にぶつかって跳ね返ったらしい緑の宝石が地面に転がっているのが見えた。なるほど、石なら痛い。……ってあいつデバイスブン投げたのかッ!? それに気づくも身体は崩れ落ちていく。どうやら本当にクリティカルヒットしたらしい。

 ブラックアウトしそうな視線の先に、さっきのやつがブン投げた体勢のまま固まっていた。そして最後に細い路地裏に響いたそいつの言葉は、俺の中に強く印象に残った。

「……やっば、ついやっちゃった」

 俺起きたら、絶対こいつのこと一発ブン殴ることを心に誓った。



******



『さっきのお店で言っていたあれは口からの出まかせですか! もうしないって言っていたではありませんか!?』
「ごめん! 気づいたらついやっちゃっていました!」
『いつもそうやって言い訳する! 僕だって怒るのですよ!? もうこうなったら…今からマイスターに身を捧げてきます!!』
「い、行かないでくれッ! 俺は今のコーラルがいいんだ! 次は、次からは気を付けるからァ!!」
「痴話喧嘩か」

 言いたいことはたくさんあるが、とりあえずこいつらアホだ。それだけは絶対に間違いない。今もデバイスに頭を頭突きされながら土下座しているし。

 目が覚めるとさっきの路地裏の壁に俺は横たわっていた。空を見上げても太陽の位置は特に変わっていない。気絶したのはほんの数分ぐらいだったのだろう。あと気絶させた張本人は俺が起きたことに気づき、本当にごめんなさいと土下座してきた。

 なので、とりあえずアッパーを一発かましておいた。地面にごろごろ転がった。


「何故投げた」
「…いや、逃げられたし」
「……逃げたら普通追いかけるものだと思うんだが」
「追いかけるのめんどくさいじゃ……はい、ごめんなさい」

 もう1度拳を握ってみせると、これまた
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