第弐話 Second World
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NERV本部でもすぐ道に迷うミサトを「こっちだと思いますよ」「そっちは何か…」とか言いながら、シンジはミサトをなんとはなしに誘導する。おかげで歩き疲れずに、そして時間通りにケージの前まで到着する。
「あらミサト、早いじゃない。どうせまた遅れると思ってたのに」リツコは遅れても早くても何か言ってきた。ミサトは目を細める。
「これが例の男の子?」
「そう」
「技術局一課、E計画担当責任者、赤木リツコ。よろしくね」
「はい…」
そっけない自己紹介。前世と同じだった。
しばらく経つと、シンジは彼女らとボートに乗りあの場所へ向かった。巨人のいる場所へ、そして父と話しに。
「碇シンジ君、あなたに見せたいものがあるの」
フロアが一気に明転する。
「人の作りだした、究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン、その初号機」
見覚えのある紫色の巨人がそこに立っていた。
「我々人類の、最後の切り札よ」
「これが…父さんの仕事…なんだね…」
シンジは巨人の上方に目線を向ける。その目線は鋭かった。
気付かれたゲンドウは少し驚いた表情をした。そのあとニヤリと笑い、答えた。
「そうだ。久しぶりだな」
「父さん…」
前の様な弱々しい声ではなかった。怒りがこもった声だった。
「フッ…。出撃…」
「そんな、零号機は凍結中でしょ…。まさか、初号機を使うつもり!?」
「他の道はないわ。碇シンジ君、あなたが乗るのよ」
うつむいていたシンジは顔を上げた。それは覚悟を決めた凛々しい顔。そして間を開けて、答えた。
「わかりました…」
「いいのシンジ君!?」ミサトは焦った様子で訊いてくる。
しかしシンジはそれに、はっきりとした口調で答えた。
「大丈夫です…」
時代の改変が、ここから始まった。
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