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ヱヴァンゲリヲン I can redo.
第弐話 Second World
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いた。


 到着が…早いよな…。彼はその時に、この世界が少しレールを外れつつある事を悟った──。









 N2地雷で車ごとひっくり返される事もなく、車はジオフロントに向かう。


「特務機関NERV…」

 その発言からはクエスチョンマークが消えていた。

「そう、国連直属の非公開組織」

 同時にリニアが動き出す。

「父のいる所…か…」

 父、碇ゲンドウの事を考えると、彼の感情は急に暗くなった。先ほどまで、この世界を変えるために頑張ろうと思っていた意欲も消えていく。ゲンドウは彼に立ちはだかる巨大な壁に違いなかった。自分にアスカを瀕死まで追い込ませ、ニア・サードを起こさせ、フォースまで起こさせようとして、結果的にカヲルを殺した。そんな父は、あまりにも巨大だった。カヲルの言っていたように「王」だと彼は感じるしかなかった。

「まぁね、お父さんの仕事、知ってる?」

「人類を守る、大事な仕事と先生から聞いています…」

「そう…」

 全盛と同じ会話が続く。しかしシンジは付け足した。

「でも…何をやっているのか詳しくは知りません…」

 ミサトの表情が曇る。彼女もこの段階で、NERVの不審な点に気が付きつつあったのだろう。シンジは続けた。

「これから父の所に向かうんですよね」

 疑問文が会話から消える。全て知っている、あくまで確認だけだ。

「そうね、そうなるわね。あ、そうだ。お父さんから、IDもらってない?」

「はい。もらってます」

 もとより出す事を考えて、きちんと取り出しやすくカバンに入れていた、つぎはぎしわくちゃの紙をミサトに渡す。ミサトは中身を確認したのち、シンジにあれを手渡した。

「じゃあ、これ読んどいてね」

(ようこそ NERV江)

 受け取って中身に目を通す。でも大抵は知っている事だった。

「父に呼ばれたからには、何かするんですよね、自分。父が自分を呼ぶだけの為に手紙を出すわけないですね…」

 ミサトは黙った。天を仰いで何かを考えていた。

「苦手なのね、お父さんが。私と同じね」

 シンジは視線を動かさなかった。リニアはトンネル区間を抜けて、地下空間の部分に入ったが彼は何とも思わなかった。

「あれが私たちの秘密基地、NERV本部。世界再建の要、人類の砦となる所よ」

「そうなんですか…?」

 世界再建の要、人類の砦。そんな訳がない。このまま行くと、人類を滅ぼしかけたニア・サードインパクトの爆心地になるだけの場所。そして人類補完計画を進める「悪の組織」NERVの根拠地になる場所。シンジは悲しい眼で、鋼鉄のピラミッドを見つめた。












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