暁 〜小説投稿サイト〜
とあるβテスター、奮闘する
裏通りの鍛冶師
とあるβテスター、人捜し
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行い、公の場に顔を出すことができない者───要するに、訳有りのプレイヤー達が集まっている。

「それにしても……誰もいないね」
「ねー」
そんな事情もあり、時刻はまだ昼を回ったばかりだというのに、ラムダの裏通りはひっそりとした静寂に包まれていた。
正直な話、アルゴの頼み(という名のパシリ)がなければ、僕たちがわざわざこの通りに近寄ることはなかっただろう。
僕たちだって、何も好き好んでこんな治安の悪そうな場所にいるわけじゃない。

「まあ、それはともかく。他のプレイヤーからの目撃情報──というより、まだ噂らしいけど。その話が正しければ、ここのどこかで露店を開いてるらしいよ」
「どんな人なんだろうね〜」
「……、エギルを強面にした感じの人だったりしたら、やだなぁ……」
僕たちがラムダの裏通りに足を運んだのは、何人かのプレイヤー達からアルゴの元に寄せられた噂話の真偽を確かめるためだ。

昨日、僕がアルゴを部屋に呼んだ理由は、腕のいい鍛冶師を紹介してもらうためだった。
12月の初め───初のボス攻略戦が終わってから、三ヵ月。僕とシェイリは今も変わらず、ペアで最前線に挑み続けている。
当初こそ、他のプレイヤー達からの闇討ちを恐れていた僕だったけれど、あの時のディアベルのフォローがあったためか、今のところ僕が危惧していたような事態は起きていなかった。
ボス攻略戦に参加する際も、一応は『戦闘中にPKされるのを防ぐため』という名目で、僕とシェイリの二人もレイドに加えてもらっている。
当然ながら、キバオウ含む一部のプレイヤー達からは、戦闘中も射殺すような視線を向けられているわけだけど……まあ、それは当然だろう。
自分達に武器を向け、あまつさえ『邪魔するなら殺すよ?』と言い放ったプレイヤーと、仕方ないとはいえ共闘する形を取らなくてはならないのだから。

もっとも。
攻略に参加している全員が全員、敵意の視線を向けてくるというわけでもなかった。
あの時もフォローを入れてくれたディアベルをはじめ、褐色肌の両手斧使いエギルと、彼がリーダーを務めていたB隊のメンバー達。
シェイリの戦い方にドン引きしたような顔をしていた、D隊リーダーのリーランド。
それに……キリトとアスナも。

あの場に居た全員から敵対視される覚悟をしていたというのに、そんな僕の予想に反して、彼らは僕を咎めることをしなかった。
二度と他人と相容れることがないだろう、と思っていた僕にとって、それはとてもありがたくて……同時に、申し訳なく思ってしまう。
あの時の僕の行動で、元βテスターと新規プレイヤーが対立するということはなくなった。
そのかわり、今度は彼らが『殺人鬼と仲良くしてる連中』として、他の攻略組プレイヤー達からはあまりいい顔をされていない。
彼らはみんな、
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