機動戦士ガンダムSEED
0178話
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砂漠の虎、アンドリュー・バルトフェルドとレセップスを撃破してから数時間。既に夜となり気温もどんどん下がってきていたが、明けの砂漠のアジトはそんな事は関係ないとばかりの熱気に包まれていた。この周辺を支配していたザフト軍の指揮官を倒したのだから、浮かれ騒ぐのも無理はないのだろう。
周囲ではアークエンジェルのクルーと、明けの砂漠のメンバー。あるいは周囲の街から祝いに来たメンバーが所属や人種など全く関係なく騒いでいる。
そのアジトの指揮所ではサイーブ、マリュー、ムウ、ナタル、そして俺の姿があった。
「明けの砂漠に!」
サイーブがそう言って、酒の入ったカップを掲げる。
「勝ち取った未来に」
マリューもそう言って、酒の入ったカップをサイーブと同じく掲げる。
「じゃあ、そういう事で」
ムウの言葉で俺達全員のカップが乾杯する。
皆が一息でカップに入っている酒を飲んでいるが、酒に極端に弱い俺は雰囲気だけでもという事で砂漠としては贅沢品のキンキンに冷えた水を一息に流し込む。
ナタルも酒には弱かったのか咽せているが、マリューは一息で酒を飲み干していた。
そんな姿を見ながらも飲み終わったカップをテーブルの上に置きながら一息吐く。
そして、サイーブに向かってムウが話し掛ける。
「でも、まだ大変だな……あんた達も。虎がいなくなったって、ザフトがいなくなった訳じゃない。奴等は鉱山が欲しいんだろう? すぐに次が来るぜ」
「その時はまた戦う。戦い続けるさ、俺達は。俺達を虐げようとする奴等とな」
銃を手に宣言するサイーブ。丁度そこに一人の子供が入って来て、俺達に構わずサイーブへと近づいていった。
「父さん、戦士達を送る祈りをするって長老が」
「そうか、すぐに行く。お前さん達もよければ一緒に来てくれないか? 戦士達との別れの儀式だ」
「ええ、喜んで」
マリューが頷き、俺達は外へと移動する。
そこでは弔いの銃声と祈りを捧げる明けの砂漠のメンバー達の姿があり、俺達はその様子を少し離れた場所から眺める。
そんな祈りの時間が20分程続き、その場で解散となる。まだ飲み足りない者は周囲の仲間と再度飲み直して逝った仲間の事を語り合う。あるいは一人で何かを考えていたり、恋人と共に過ごしたりとそれぞれが思い思いの行動を取っていた。
「さて、じゃあ俺達もひとまず解散としますか」
「ええ、そうですね。明日からまた忙しくなりますし、今日はせめてゆっくりと羽根を伸ばして下さい」
「はいよ。バジルール中尉、よければ俺と一緒に飲み直さないか?」
「その、私はあまり酒は強くないのですが……それでもよければ」
ムウとナタルはそう言い、飲み直す為にだろう2人で去っていった。
「アクセル、私達も行き
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