第三十話〜R2・目覚め〜
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「ありがとう、助かったわ」
「いえ、こちらこそ不注意でした」
高圧的な物言いではなく、素直に感謝の言葉を使った彼女に「ブリタニア人にしては珍しい」と思いながらライもそう答える。
その女性の後ろに2人の違う女性がいた事にライはその時気づいた。
「オズ〜、騎士ともあろうお人が助けられるとはどうなのかにゃ〜〜」
「ソキア、これは突然だったから!」
「お怪我はないですか?」
「トト、見てのとおりこの人が助けてくれたから。大丈夫よ」
いきなり目の前で話始めた3人を見ていたライはある単語に引っかかった。
(……騎士?)
もし、目の前にいる女性が軍属なら長居は無用とライは考える。それに3人の内の1人が給仕服を着ているため、この中に少なくとも位の高い人間がいるかもしれないのだ。
現時点でライは顔を覚えられることにデメリットこそあれ、メリットはないので早々にライは立ち去ることにした。
「急いでいるので僕はこの辺で失礼します」
一言そう言うとライは去っていく。その後ろ姿をぶつかった女性はしばらく見つめていた。
「どうかしたのかにゃ?」
「いや……なんというか、今の人がマリーと雰囲気が似てる気がして……」
その呟きはライに届くことはなかった。
ある程度情報が揃ったライは日本の黒の騎士団残党に合流する。
最初はブリタニア人ということで警戒されていたライであったが、C.C.の推薦とライ個人の能力の高さからすぐに騎士団内での信用を取り戻す。しかしそれは新人を頼らなければならないほどに追い詰められていたということかもしれないのだが。
そしてライはカレンとも再開する。
顔を合わせた時、ライは動揺せずに自己紹介した。だが、カレンの方はそうならなかった。ライの顔を見ると呆然とし、目を潤ませ、少ししてから嗚咽を漏らし始める。
いきなりのことと、記憶を失っているカレンがそんな反応をすることにライは驚いた。
「………ご……めん、でも……止めら……れなく………て……」
そう呟いたカレンはそのままライの胸を借りて泣き出した。ライはそのままカレンの頭を撫でながら彼女が落ち着くのを待つことになった。
カレンが落ち着いてから、なぜ泣いたのかライは尋ねる。その質問にカレンはこう答えた。
「失った何かが戻ってきた感覚が来たあとに、気持ちが溢れて耐えれなくなったというか……その……」
最後のほうはしどろもどろになっていたがハッキリとカレンは答えた。
それを聞いた六課のメンバーは少しだけ気持ちが楽になった。ライにも少しではあるが救いがあったのだと、自分が消えることを望んだ彼の願いでも消えないモノがあったのだと思えた。
特にその想いが強かったの
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