第三十話〜R2・目覚め〜
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起こすつもりだったのか?」
「………」
質問に沈黙を返すC.C.を見て軽くため息を吐いたあと、ライは尋ねる。
「………これから僕は君の共犯者のために動く。君はどうする?」
「……答えが決まっている質問をするな」
少し拗ねた表情をしたC.C.に苦笑しながらライは歩き出す。掛け替えのない友のために。
短い掛け合いだけでお互いの気持ちを分かり合える2人の関係に六課の内の何人かは嫉妬していた。
そこからライは動き出す。幸い、ライのことを覚えているのはC.C.だけとなっているため、そのことを活かしライはブリタニアの本国に趣いていた。理由は黒の騎士団へ合流する前に、機密情報及びナイトメアの技術を欲した為である。
機密情報は手に入れるには、派手に動くことになるため断念したがナイトメアの技術は案外簡単に手に入れることができた。
「あれは………ランスロットの改造機か……」
ライがポツリと呟く。その視線の先にはブリタニアのプロパガンダに使われている映像が街頭の大きなスクリーンに流れている。
その映像に映るのはスザクのランスロットよりも赤くて派手な機体。その機体はランスロットの後継機に当たる機体、ランスロットグレイルであった。
(機動は確かにスゴイがスザクの方が全体の能力は上か。ランスロットの飛び抜けている性能を乗り手を選ばずに使えるように造っているのか。ならブリタニアはもう量産を………)
刷り込まれている知識と自分の感じた意見を検討しながらライはナイトメアのデータを纏めていく。ライが行っているのは自分に刷り込まれたナイトメアのデータでランスロットタイプの性能を出すにはどんなパーツが必要となるかの検証である。
ライの戦闘スタイルは王の時代に使っていた体術が基本となっている。その為、ライが使うのに適した機体は月下タイプの機体ではなく、より人間の形に近いランスロットタイプなのだ。
その為、ライはブリタニア本国に向かい情報収集を行う。データが簡単に手に入る理由は至極簡単。先のブラックリベリオンによりブリタニアの一般市民の中には強い不安を持つ者が多くいる。その為、ブリタニアの軍の動きはあまり報道規制されず、さらには戦果を上げた戦闘をそれなりに一般に公開されているのだ。
「………望んでない力が役に立つのは複雑だ……」
作業を中断し休憩のために街を歩いていたライはそう呟く。バトレーに刷り込まれたナイトメアの知識を便利に感じる反面、複雑な気持ちになるライの本音であった。その時、注意力が落ちていたのかライは道の曲がり角で女性とぶつかる。
ぶつかった女性は尻餅をつきそうになるがライは反射的に腰に手を回し助け起こす。自分が倒れると思っていた女性は一瞬ぽかーんとするがすぐにお礼を言ってきた。
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