第二十四話 古墳その六
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「とにかく何でもしてるから」
「一匹いたら十匹はいるしね」
「しかもしぶといし何処にでも入って来るし」
これだけ厄介な存在もない、特に食べ物を扱う店にとっては。
「テロリストみたいな奴等よ」
「ええ、お店にとってはね」
「あんな連中この世からいないといいのに」
「全くよね」
こうしたことを二人で話しているとだった。
二人に先輩の一人がこう言ってきた。
「ねえ二人共いい?」
「はい、何ですか?」
「作業ですか?」
「作業じゃないわよ」
先輩はまずは聖花に対して答えた。
「そういうjのじゃなくてね」
「っていうと一体」
「何ですか?」
「実は今衣装部が着物作ってるのよ」
この学園にはこうした部活もある、とにかく色々な部があるのだ。
「それでね、茶道部、華道部とうちにモデルになって欲しいっていうのよ」
「着物のモデルですか」
「それなんですか」
「そう、部全員で参加するからね」
つまり部全体でモデルになるというのだ。
「あんた達も出てね」
「うわっ、着物のモデルって」
愛実がその話を聞いて目を丸くさせて先輩に応えた。
「何か凄いですね」
「凄いっていうか何ていうかね」
「普通ないですよね」
「うちの学校は色々な部活があるから」
先輩はこのことから話す。
「それで衣装部もあるからね」
「それでその衣装部にですか」
「作ってもらうんですか」
「そうよ、それも二種類あるから」
「そう、まずは振袖に」
日本伝統のそれだった、かなり華やかになる服である。
「夏だから浴衣もね」
「浴衣まで作るって」
「本当に凄い部活ですね」
「何でも顧問の先生が呉服屋のお嬢さんでね」
それでだというのだ。
「服はそこから用意してくれるらしいのよ」
「ってことはまさに本物の和服ですか」
「それを着せてもらえるんですね」
「うちの部活は大会の時は和服よ」
かるたは日本の文化である、その日本文化をやるからにはここぞという時には和服を着てしなければならないというのだ。
だから先輩もこう言うのだ。
「二人も着物着て大会に出なさいね」
「私もですか!?」
愛実は先輩の今の言葉に驚いた顔で問い返した。
「私も大会に出るんですか」
「女子の部でね。一年は全員出るわよ」
「そうなんですか」
「今一年の娘五人よね」
「はい」
愛実と聖花を入れて五人だ。
「その五人が全員ですか」
「出るのよ。頑張ってね」
「私が試合に」
「後はね」
さらにだった。
「個人の試合にも出てもらうからね」
「個人にも」
「だから頑張ってね」
「はい」
愛実は驚いた顔のまま先輩の言葉に頷く、その愛実に聖花が笑顔で言ってきた。
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