第二十四話 古墳その五
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「だからなのね」
「そう、やっぱり身体のラインが出るから」
「見られるのね」
「ブルマじゃないことがせめてもの救いだけれど」
愛実はどうしてもこのブルマが気になった、今こんなものを自分達が着せられてはたまったものではないと思っているからだ。
「それでもね」
「脚とかお尻とか」
「胸もね。制服よりもずっとラインが出るから」
身体のそれがだというのだ。
「見られるのよ」
「男子って何でも見るのね」
「興味ない子はいないでしょ」
それこそゲイ以外はだ。
「こう言う私達だってね」
「まあ向こう程じゃなくてもね」
「見るからね」
それでだというのだ。
「お互い様になるかしら」
「結局のところは」
「みたいね。まあもうすぐ夏休みだし」
愛実は聖花に一枚取られた、そのことに気を引き締めつつ話した。
「体育の授業ももうないから」
「水着姿見られることもないわね」
「これでね。さて、夏休みはね」
「お店もあるし」
聖花はパン屋のことをここで話した。
「夏でも朝が早くてね」
「パン焼き窯暑くない?」
「朝早くだからそれ程でもないし窯のお部屋にはクーラーもあるから」
「そんなになの」
「昔に比べたらずっとましみたいよ」
「いいわね、うちのお店も厨房にクーラーあってもね」
「ああ、食堂はよね」
聖花は愛実の店、幼い頃から遊びに来ているあの店のことを思い出しながら応える。
「夏は大変よね」
「定番のお素麺にしてもね」
「食べる人は涼しいけれど」
「あれ麺をお湯で茹でるから」
この点はうどんや蕎麦、ラーメンと全く同じだ。
「作る方は大変なのよ」
「そうよね」
「うん、まあかき氷は楽だけれど」
それはだというのだ。
「夏は修羅場よ、暑さとも戦いよ」
「食中毒もあるしね」
このことは二人共通の心配の対象だ。
「そっちもね」
「そうそう、それもあるから」
「食べ物が傷みやすいから」
これは梅雨からだ。とにかくこの季節食べ物を扱う店は細心の注意を払って食材を管理しなくてはならないのだ。
そして夏は他にも心配の種があった、それは。
「コキブリもね」
「多いのよね」
「ゴキブリ最悪」
愛実はこれ以上はないまでに嫌そうな顔になって聖花に言った。
「鼠は出ないけれどね」
「猫ちゃんいるとね」
「うちのお店にはいないけれどね」
「ご近所にいるわよね、愛実ちゃんのお店って」
「魚屋さんが一杯飼ってるから」
だからだというのだ。
「商店街全体がね」
「鼠の心配は、なのね」
「それ程でもないの。ただ」
ゴキブリ、最大の敵はどうかというと。
「そっちはゴキブリホイホイにホウ酸入れたふかし芋にね」
「うちと一緒ね」
「いつもあちこちに置いてるわ」
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