第二十四話 古墳その三
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「楽しまないとね」
「今みたいになのね」
「そう、こっちも調子いいしね」
「そういえば愛実ちゃんもね」
「私もなのね」
「そう、先生が言ってたけれど」
顧問の先生がだというのだ。
「一年でトップじゃないかってね、今は」
「あれっ、聖花ちゃんじゃないの?」
「私じゃないわよ」
愛実だというjのだ。
「先生が言うにはね」
「そうなのね」
「そう、それにね」
まだ言う聖花だった。
「今だっていい感じじゃない」
「何かキレがいいかも」
自分でも気付いた愛実だった。
「そういえばね」
「愛実ちゃんスポーツとかは」
「全然してないわよ」
生粋の文系だ、そちらには縁がない。
「ランニングとか苦手よ」
「そうよね。やっぱり気持ちの問題かしら」
「そうかもね。本当に今気分がいいから」
「波に乗ってるってことね」
「それが身体の動きにも出てるのね」
「みたいね。ただね」
聖花はここで愛実の小柄な身体にはいささか不釣合いなまでに大きな胸を見た、そしてあえて嫉妬めいたものを見せて笑って言った。
「胸、邪魔にならない?」
「えっ、別にだけれど」
本人はきょとんとなって返した。
「そういうのはね」
「ないのね」
「ええ、揺れたりしてよね」
「そういうのはないのね」
「特にね。ブラもしてるし」
それで固めてもいるというのだ。
「そんなに揺れたりとかは」
「そうなのね」
「というか揺れる胸ってね」
愛実も笑って言う。
「ファンタジーでしょ」
「あまりないかしら」
「ないわよ。グラビアアイドルならともかく」
そうした人達を特別とした言葉だった。
「私の胸位じゃね」
「ないのね」
「そうよ。というか揺れる位あったら」
愛実の顔には憧れが出た。
「いいわよね」
「逆に、なのね」
「私の胸はそこまで大きくないから」
「というか胸の質で揺れないとかじゃないの?」
聖花はまだ愛実の自分のものよりも大きな胸を見ている。
「そういうのじゃないの?」
「胸の質って」
「胸の形も人それぞれよね」
「ええ」
「それでその質もね」
つまりこの場合は揺れやすいか揺れにくいかである。
「愛実ちゃんの胸はそういう質でしかもブラ固いのよね」
「そっちが好きだからね」
「だからじゃないの?揺れないのは」
「そうなのね」
「ええ、それでじゃないかしら」
これが聖花の見立てである。
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