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八条学園怪異譚
第二十四話 古墳その二

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「古典がよくなったのよ」
「聖花ちゃんはそっちなの」
「いつもかるた見てるせいかしら」
 部活のお陰ではないかというのだ。
「それで愛実ちゃんの英語は」
「ちょっと百人一首英語でどうなるかって考えてね」
 それでだというのだ。
「色々文法とか単語調べて」
「それでなの」
「上がったのよ。いやお勉強もそうした考えになるとね」
「上がるみたいね」
「そうみたいね。これはまでは正攻法ばかりだったけれど」
 このことは愛実も同じだ。二人共そういうところは似ていて根は真面目なのでそれで勉強の仕方も正攻法だったのだ。
「ほら、同じ問題集を何度もする」
「教科書も何度も読み書きしてね」
「それでやってきたけれど」
「私もそんな感じだったわ」
「そうしたやり方もあるのね」
 愛実は札を横に勢いよく払ってから言った、手の動きはまるで風だった。
「そういうことね」
「そうね、それともうすぐ夏休みだけれど」
「うん、いよいよね」
「夏も部活はあるし」
「お店は当然あるし」
「結構忙しくなりそうね」
「ええ。それで泉もね」
 愛実はこのことについても話をした。
「まだ見付からないけれど」
「まだまだ見付からないかもね」
 聖花は最悪ではないが先jの長い予想もした。
「それは」
「そうかもね、何かね」
「巡り会い?」
 ふと言った聖花だった。
「これも」
「ものにもなのね」
「ネットのサイトでもそうじゃない」
 これは例えだ、スマホでも言えることだ。
「ふとした弾みで着いてね」
「そこに定住することになるとか」
「そういうことあるわよね」
「確かにね」
 愛実も聖花のその例え話に頷く。
「あるわね、確かに」
「でしょ?だから泉もね」
「虱潰しに探していってね」 
 この辺りはネットとは違っていた。候補地を一つずつ回ってそのうえで探しているからだ、そこが違っていた。
「そうしてね」
「そのうち見付かるからよね」
「ほら、動物園で二人で猫又さん達に言ったけれど」
「いざって時によね」
「そう、お店は真剣勝負だけれど」
「泉はよね」
「探すものだから」
 言うならば好奇心による探求だ、仕事とはまた違う。
 それで聖花は愛実に言うのだった。
「まあ気楽にね」
「探していけばいいのね」
「普通jにね」
 そうしていいというのだ。
「まあ気長に楽しんでいていいわよね」
「そうなのね。後は」
「後はって?」
「いや、部活もね」
 愛実は笑ってまた一枚払って取った。
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