TURN63 ドロシーの帰還その七
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ドロシー達は適性検査と試験を受けた後で正式に提督に任じられた。ドロシーはガメリカ共和国科学技術長官にも復職した。
だがカナダは全てが終わった跡で溜息をつきながら妹に漏らした。
「またなんだ」
「ええと。最初はお話に出てたけれど」
「皆僕のことを忘れてだったんだね」
「ええ、コロニーに行ってね」
「それでだよね」
「ドロシーさんに戻ってもらってね」
「デカナヴィダさん達も」
この二人もだった。
「提督になったんだね」
「二人共カナダ軍の提督よ」
「それはいいよ。けれどね」
「忘れられたことがよね」
「そうだよ。本当にいつもだから」
カナダの溜息は止まらない。
「本当にどうしたものかな」
「落ち込んでも仕方ないけれど」
カナダ妹は何とか兄を慰めようとする。
「だからね」
「気を取りなおしてっていうんだね」
「そう。楽しくやろう」
「何時かな、皆が僕に気付いてくれるのは」
カナダでのことだったのに何時しか存在を忘れらていた、カナダにとっては今回も実に辛いことだった。目立てないことはどうしようもない。
だがドロシーの参加は大きかった。平賀は久重の口から東郷と日本に対して述べた。
「完成間近の連合艦隊の新旗艦だが」
「大和ですね」
日本はその名前を言った。
「それがですか」
「私の製造開発よりさらにだ」
「性能があがったのですか」
「コンピューターが格段にバージョンアップされた」
それによってだというのだ。
「今ではだ」
「全く違うのですね」
「そうだ。第六世代を超えた」
平賀は言った。
「それだけの戦艦になる」
「実際にどれだけなんだ?」
「ビームは要塞の主砲並だ」
そこまでの威力だというのだ。
「一撃でどの様な、ソビエトの巨大戦艦すら沈められる」
「それは有り難いな。速度や索敵能力もだな」
「比較にならない」
平賀が開発していた段階と比べてもだというのだ。
「それに他の艦艇もだ」
「メインコンピューターの性能があがったからですか」
「性能が格段にあがった」
全ての艦艇がそうなったというのだ。
「第六世代の艦艇がさらにだ」
「第六世代の艦艇もようやく軍の主流となりつつある」
東郷はこのことには素直に喜んでいる。
「エイリス、ソビエトとも互角に渡り合える様になった」
「そうですね。ガメリカと中帝国が加わり太平洋経済圏も本格的にはじまりました」
日本も言う。
「そのお陰で」
「大体今は七十個艦隊だったな」
平賀は久重の口からこのことも問うた。
「そうだな」
「そうだ、そしてその全ての艦隊にだ」
「第六世代の艦艇が普及出来る」
「本当に大きいな」
「特に戦艦と大型空母に」
「駆逐艦は水雷戦用に統一している」
東郷
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