立志の章
第4話 「そしてなんとなんと! 北郷盾二さんは……管輅ちゃんのいう天の御遣いだよ!」
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とないよ! 詳しくはいえないけど……私は見たもん、御遣いの天の力を! 絶対本物だよ!」
桃香……否定されるのが悔しいのはわかるが、あまり天の力とかいわないでくれ。
そもそもなんだ、その御遣いってのは。
「(ぼそぼそ)なあ愛紗」
「(ぼそぼそ)なんだ」
「(ぼそぼそ)御遣いって、どういうことだ」
「(ぼそぼそ)言ったとおりだ。私たちは偶然、あそこにいたわけじゃない。占いの結果を確かめるために、あそこにいたのだ」
「(ぼそぼそ)マジか……」
今の今まで、そんなこと欠片も言わなかったじゃないか……
「(ぼそぼそ)一刀殿のことがあって、言う暇も機会もなかったのだ。すまん」
「(ぼそぼそ)いや……うん。わかるよ」
「(ぼそぼそ)だが、私も同じだ。今では貴殿を天の御遣いだと思っている。アレも見たしな」
「(ぼそぼそ)……頼むから他言無用でな。力のほうはいいけど」
ゼロバーストはともかく、賢者の石で黄金を作れる方は、本当に勘弁してくれ……
「んんっ! 御遣いかどうかはともかく、今は桃香たちと行動を共にしている。本当はもう一人いるが……まあ、よろしく頼む」
「そうか……桃香が真名を許しているのなら、一角の人物なのだろう。なら、私のことは白蓮でいい。友の友なら、私にとっても友だからな」
ふむ。やはり良い人だな。
「ありがとう。俺は北郷盾二だ……盾二と呼んでくれ」
「よろしくな、盾二」
公孫賛――白蓮が、鷹揚に頷いた。
「ところで、桃香。私を訪ねてきたのは、旧誼を暖めるだけのことじゃないと思うけど……本当の用件はなんなのだ?」
ほう……さすが一国の太守。ちゃんとお見通しか。
「うん。実はちょっと事情があってね……」
桃香がちらっ、とこちらを見てくる。
うん。俺から話すべきか。
「実は白蓮殿。俺には一人、兄がいるんだが……その兄が原因不明の病で、意識不明でな。医者にも見せたが手の施しようがないらしい」
「白蓮、でいいよ。大丈夫なのか?」
「命には問題ないらしい……だけど今日明日に目覚める、と言うわけでもないらしい。それで、兄を安全な場所に休ませるためには、どこか拠点をつくらなければ、という話になってな」
「それでね、ちょうどお医者さんのいる都が白連ちゃんのところだったから……私が白蓮ちゃんを紹介しようと思ったの」
桃香が、俺の言葉に口添えてくれる。
「そっか、大変だな……いいよ。そういうことなら私にまかせてくれ。桃香を含めて四人とも……そのお兄さんもいれて五人か。私が面倒見るよ!」
「ありがとう、白蓮ちゃん!」
やはり気さくで器が広い。兄貴……いや姉貴分というところか。
「助かります……とはいえ、ただ置いてもらうのも気がひ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ