立志の章
第4話 「そしてなんとなんと! 北郷盾二さんは……管輅ちゃんのいう天の御遣いだよ!」
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の間へ案内された。
「桃香! ひっさしぶりだな〜!」
「白蓮ちゃん! きゃ〜っ! 久しぶりだねぇ♪」
赤毛の髪に白い鎧を着る女性――公孫賛が、桃香を出迎える。
聞いていた通り、桃香と話をする様子は気さくな印象を強く抱かせる。
「……はぁーーーーーーーーー!?」
「!?」
二人の話の最中に公孫賛が大声を上げる。
何事だ?
「ちょっとまて、桃香! アンタ盧植先生に将来を嘱望されていたのに、そんなことばっかやっていたのか!?」
「う、うん……」
「どうして! 桃香ぐらい能力があるなら、都尉ぐらいなれただろうに!」
なんですと!?
都尉がどんなものなのかはわからないが、能力があるなら?
……いや、そりゃそうか。
劉備だもんな。会って一週間程度だけじゃ隠された能力はわからんか。
「そうかもしれないけど……でもね、白蓮ちゃん」
桃香が言うには『どこかの県に所属して、その地域だけの人しか助けられないのが嫌だった』とのこと。
……さすが劉備、ってところか。
だからといって放浪するだけじゃ何もできないが……
「だからって、お前一人が頑張っても、たかがしれてるだろうに……」
うん、正しいな。公孫賛さん。
「そんなことないよ? 私にはすっごい仲間達がいるんだもん!」
「仲間?」
あ、やっとこっちに気づいたようだ。
「桃香、この三人がその仲間なのか?」
「うん! 関雲長、張翼徳、そして北郷盾二さん! 私の自慢の仲間だよ♪」
「ふーん……」
「うんとね、愛紗ちゃん……関雲長は文武にすぐれた勇将だし、鈴々ちゃん……張翼徳は一騎当千の猛将だよ!」
「ほほう……」
「そしてなんとなんと! 北郷盾二さんは……管輅ちゃんのいう天の御遣いだよ!」
……はい!?
「管輅? 管輅って、あの占い師の?」
「うん! 流星と共に天の御遣いが五台山の麓にやってくるって占い、白蓮ちゃんは聞いたことない?」
いや、桃香。俺が初耳だよ、その話。
「聞いたことはある……しかし、本物なのか?」
「本物だよー! 盾二さんはすっごいんだから! なにしろ金を……」
「桃香!」
「あ……ごめんなさい」
「???」
危ない……他言無用といったのに漏らしそうになるとは。
前言撤回。
やっぱ能力あるってのは、なにかの間違いじゃないのか?
「桃香様……」
「お姉ちゃん……」
「うう……本当にごめんなさい」
愛紗や鈴々も、桃香を冷めた目で見ている。
桃香はシュン、と縮こまっている。
「なんだかわからんが……まあ、桃香が今まで一度も嘘をついたことがないし、言うことは信じているよ。だけど……それっぽくないな」
「そんなこ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ